一念は宇宙を広げ、言葉は世界を結ぶ
私たちは、あまりにも長いあいだ「見えるもの」だけを現実だと教えられてきた。
しかし物理学が明らかにした宇宙の姿は、その常識を静かに裏切る。
宇宙の約68%はダークエネルギー、27%はダークマター。
私たちが触れ、見て、掴める物質は、わずか5%にすぎない。
この事実を人生に重ねたとき、ひとつの直感が立ち上がる。
人間の現実もまた、目に見えないものによって支配されているのではないか。
私はこう捉えてみたい。
一念・思い・祈りはダークエネルギーである。
ダークエネルギーは宇宙を外へ外へと押し広げる斥力だ。
同じように、人の強い一念は、停滞した現状を押し出し、まだ存在しない未来を拡張する推進力になる。
一方で、言葉と行動はダークマターである。
ダークマターは、バラバラになりかけた星々を束ね、銀河という「構造」をつくる。
思いが言葉になり、行動に移されたとき、それは質量を持ち、現実を形づくり、世界を固定する力となる。
もし思いだけがあり、行動がなければ、人生は加速するだけで散逸してしまう。
逆に、行動だけがあり、思いがなければ、重さに耐えきれず、やがて潰れてしまうだろう。
一念が宇宙を広げ、言葉と行動がそこに形を与える。
この循環こそ、人間の創造そのものではないだろうか。
ここで重要なのは、これは「脳の問題」ではなく、生命の問題だという視点だ。
言葉を聞いただけで体が震える。
誰かの思いが、理屈を超えて伝わる。
それは単なる神経信号の処理では説明しきれない。
言葉は記号ではない。
体験の転写であり、生命に直接届く震えだ。
楽器の弦が共鳴するように、言葉の背後にある一念が、聞き手の生命を揺らす。
脳は工場ではなく、アンテナに近い。
受信機の性能差はあっても、私たちは同じ「生命の場」に浸っている。
だから思いは、非局所的に伝わる。
この視点に立てば、見える結果は人生の5%にすぎない。
残りの95%は、思い、祈り、言葉、行動、そして生命そのものだ。
私たちは、すでに宇宙的な存在なのだ。
ただ、それを思い出していないだけなのかもしれない。
作品名:一念は宇宙を広げ、言葉は世界を結ぶ 作家名:タカーシャン



