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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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変わらない日本の指標――印鑑文化

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日本が変われない理由を探すとき、
巨大な制度や政治よりも、
もっと小さく、身近で、象徴的なものに行き着く。

それが「印鑑文化」だ。

世界が電子署名で一瞬の合意を交わす中、
日本ではいまだに
「判子がないと進まない」
「上司の印が揃わないと止まる」
という時間が流れている。

印鑑は本来、責任の証だった。
しかし今は、
責任の所在を曖昧にするための儀式
になってはいないだろうか。

誰も決めない。
誰も責任を持たない。
ただ、順番に印を押していく。

そこにあるのは合意ではなく、
「前例」と「空気」だ。

印鑑文化が象徴しているのは、
アナログかデジタルかの問題ではない。

それは
意思より形式を優先する国の気質
そのものなのだ。

だから印鑑が残る限り、
意思決定は遅れ、
挑戦は敬遠され、
責任は分散され続ける。

印鑑を廃止することが改革なのではない。
自分の名前で決める覚悟を取り戻すこと。

それができたとき、
印鑑は自然と不要になる。

変わらない日本の指標は、
今日も静かに、
朱肉の上に置かれている。