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タカーシャン
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novelistID. 70952
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思想がない国は、必ず右に傾く

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思想がない国は、必ず右に傾く

日本は、ある日突然、右に振り切れる国ではない。
気づかぬうちに、音もなく、少しずつ傾いていく国だ。

その原因は、政治でも、政党でもない。
もっと深いところにある。
国民一人ひとりが、思想を持たなくなったことだ。

思想とは、立派な主義主張のことではない。
右か左かを決める旗印でもない。
「自分は何を大切にしているのか」
「これは本当に正しいのか」
そう自分に問い続ける、内側の軸のことだ。

この軸が失われると、人は不安になる。
不安は思考を奪い、代わりに「分かりやすさ」を求めさせる。
強い言葉、単純な敵、即効性のある正解。
それらは、考えなくても安心を与えてくれる。

だから、思想を持たない社会は、
秩序、強さ、一体感を強調する方向へ自然と引き寄せられる。
それが結果として「右に傾く」という現象として現れる。

問題は、右か左かではない。
考えずに選ぶ右であることだ。

日本の怖さは、声を荒げないところにある。
革命も暴力も起きないまま、
異論は「空気を乱すもの」として遠ざけられ、
沈黙が「大人の態度」として評価される。

こうして社会は、
思想ではなく、無思想のまま秩序に従う国になる。
それは強い国家ではない。
ただ、疑わない国だ。

本当の対抗軸は、左に寄ることではない。
一人ひとりが、自分の言葉を持つことだ。
未熟でもいい。揺れていてもいい。
それでも「私はこう考える」と言える人間が増えれば、
国は傾いても倒れない。

思想とは、守るためにある。
国家を守るためではない。
人間が、人間であり続けるためにある。

傾きを止めるのは、制度ではない。
考える個人の数なのだ。