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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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無知が国家を追い詰める

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無知が国家を追い詰める

――中国を理解しないまま、強さを叫ぶということ

日本が直面している中国問題の本質は、
中国の強さでも、外交の失敗でもない。
もっと根の深いところにある。

中国という国家を、日本国民が理解していないこと。
これがすべての出発点である。

多くの日本人は、中国を「価値観の違う大国」程度に捉えている。
市場経済で、交渉ができ、国際世論を気にする国家。
だが、それは現実ではない。

中国は、私たちが想像する「国家」の姿とは異なり、
党の意思が国家の輪郭を形づくる独特の統治構造のもとにある。
法より政治、経済より統治、国民より支配が優先される。
ここを見誤った瞬間、日本の対中認識は崩れ始める。

レアアース問題は、その象徴だ。
中国は採算が合わなくても精錬を続けた。
公害を出し、地域を壊し、国民に犠牲を強いてもやめなかった。
それは経済行為ではなく、国家戦略だったからだ。

民主国家では不可能なことを、
中国は国家の構造そのもので可能にした。
そこに善悪はない。
あるのは「耐久性」だけだ。

一方、日本はどうか。
日本は正しさで動く国だ。
説明、合意、納得がなければ前に進めない。
それ自体は誇るべき文明だが、
耐えることを前提に作られてはいない。

この非対称を理解しないまま、
日本社会では「毅然とした態度」「妥協するな」という言葉が支持される。
強い発言が、強い国家であるかのように錯覚される。

だが現実は逆だ。
強い言葉は、国家を守らない。
むしろ、政府の選択肢を狭め、
裏交渉や時間稼ぎという唯一の生存戦略を封じてしまう。

中国は日本を理解している。
日本の世論の動き方を知り、
どこで感情が爆発するかを知っている。

しかし日本は、中国を理解していない。
この非対称こそが、最大のリスクである。

解散・総選挙が取り沙汰される背景にも、
この静かな危機があると考えるのは不自然ではない。
支持率の問題ではない。
国家が次に背負わされる負担に、耐えられるかどうかの問題だ。

もし国民が、
「正しいことを言えば国は守られる」
と信じ続けるなら、
日本は理念としては美しく、
戦略としては脆い国家になる。

国民が知るべきだったのは、
勝ち負けでも、善悪でもない。

中国は、正義では動かない。
日本は、正面衝突に耐えられない。
だから必要なのは、強さではなく、しぶとさだ。

無知は、選択肢を奪う。
理解は、屈辱に意味を与える。

国家が生き延びるとは、
必ずしも胸を張ることではない。
時に黙り、時に譲り、
それでも消えないことだ。

この現実を引き受けられるかどうか。
それが、これからの日本社会に問われている。