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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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泥中の国難、砂上の審判

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泥中の国難、砂上の審判

 深い海の底には、魚の骨が数千万年の歳月をかけて蓄えた「宝」が眠っているという。小笠原諸島・南鳥島沖の水深六千メートル。本日、地球深部探査船「ちきゅう」が、その泥を求めて静かに出航した。だが、その船出を見送る永田町の空気は、新春の晴天とは裏腹に、かつてないほど殺気立っている。

 高市内閣が「レアアース解散」へのカウントダウンに入った。中国による対日輸出規制という強硬策に対し、高市首相は「屈しない」姿勢を貫く。経済安全保障を看板に掲げる政権にとって、ハイテク産業の血流であるレアアースは、文字通り「喉元に突きつけられた刃」である。

 今の内閣支持率は七割近い。しかし、これはまだ「嵐の前の静けさ」に過ぎない。レアアースの在庫が底を突き、自動車工場が止まり、家電の価格が跳ね上がる。そんな「実害」が国民の財布を直撃すれば、熱狂的な支持は一転、猛烈な逆風へと変わるだろう。それを誰よりも知る首相が、痛みが顕在化する前の二月投開票という「最短距離」を走ろうとするのは、冷徹なまでの権力の本能と言える。

 「日本には精錬技術がない」という弱みも、今回の勝負を急がせる一因だ。公約には「国内精錬の復活」が躍る。しかし、公約が形になるまで、産業界は息を止めて待てるのか。自前で掘り、自前で磨く。そんな「資源自立」という夢が、選挙用の打ち上げ花火に終わるのか、それとも日本の新たな背骨になるのか。

 今回の選挙は、有権者に究極の二択を迫るものになる。中国の圧力に耐え忍び、自立の道を歩む「覚悟」を問うのか。あるいは、現実的な妥協と平穏を求めるのか。

 「ちきゅう」が深海から泥を引き揚げるころ、私たちは投票所で、この国の「根っこ」をどこに置くかの決断を迫られている。泥の中から見つかるのは、輝かしい日本の未来か、それとも資源なき国の空虚な叫びか。その答えが出るのは、もうすぐだ。