本当の強さとは
父方の祖母は
明治に生まれ
女でひとつ
七人の命を背負った
戦争が
長男を連れていった日も
泣き崩れるより先に
祖母は笑った
――生きるしかない、と
母方の祖母もまた
女でひとつ
六人の子を産み
二人を病に還した
奪われても
折れず
恨まず
悲しみを
声に出して笑い飛ばした
その笑いは
弱さの仮面ではない
生き抜くための
覚悟の音だった
苦難は
この一族を削るどころか
太くし
長くし
命を繁らせた
そして
その血をすべて受け継ぎ
一番強く
一番静かに
立っていたのが
母だった
強さとは
力ではない
耐えることでもない
失いながらも
命を信じ
今日を笑うこと
それを
あの人たちは
生き方で
教えてくれた



