人間を物にしない社会へ
お金の価値は、一定ではない。
それは金額によって決まるものではなく、
どんな生活を送り、どんな使い方をしているかで変わる。
少ないお金でも、心豊かに堅実な生活を送る人がいる。
そうした人は、お金の価値を高く使っている。
一方で、多くを持ちながら満たされない人もいる。
お金の価値は、人によって違う。
物価、財産、国力――
確かに条件はさまざまだ。
しかし忘れてはならないのは、
お金とは人間が作り出した概念にすぎないという事実である。
人間が生み出したものに、人間が支配されてはならない。
同じことは、給料にも言える。
給料は単なる市場価格ではない。
それは「人間がその仕事をして生きるための最低限の尊厳」である。
にもかかわらず、
仕事内容に見合わない低賃金が、
効率や競争の名のもとに正当化されてきた。
人を安く使えるから使う。
代わりはいくらでもいる。
その発想は経済ではない。
人間を物として扱う搾取であり、
社会が見逃してきた犯罪である。
だからこそ、
仕事内容に対する最低賃金は、
国が責任をもって管理すべきだ。
これは甘えでも社会主義でもない。
人間社会の最低条件である。
同時に、庶民も賢くならなければならない。
知らないことは、奪われることと同じだ。
考えないことは、任せきりにすることだ。
声を上げない限り、社会は変わらない。
庶民が賢くなり、
国が法を整える。
その両輪がそろって初めて、
人間は人間のための社会をつくることができる。
人間が人間社会をつくり、
人を人として扱う世界を選ぶ。
そのとき私たちは、
ようやく本当の人間になる。
作品名:人間を物にしない社会へ 作家名:タカーシャン



