小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

なぜ今、昭和ファッションが支持されるのか

INDEX|1ページ/1ページ|

 
なぜ今、昭和ファッションが支持されるのか

最近、街を歩いていても、SNSを眺めていても、どこか「昭和っぽさ」を感じるファッションに出会うことが増えた。
派手な色、強いシルエット、今の基準で言えば少し“やりすぎ”にも見える装い。しかしそれが、なぜか新しく、魅力的に映る。

2025年は「昭和100年」という節目の年でもある。
単なる懐古ではなく、今このタイミングだからこそ、昭和という時代の空気が再評価されているように感じる。

まず興味深いのは、Z世代にとっての昭和が「懐かしさ」ではなく、「未知のエキゾチズム」として映っている点だ。
彼らにとって昭和の服は、親世代や祖父母世代の記憶ではなく、触れたことのない異文化に近い。
くすみカラーやミニマルなデザインが主流だった近年の反動として、昭和特有のパキッとした原色、大胆な柄、極端なシルエットは、むしろ強烈な個性として受け取られている。
肩パッドの入ったジャケットやベルボトムは、「古い」のではなく「主張がある」。
SNSという舞台では、その強さこそが映えるのだ。

次に見逃せないのが、デジタル疲れから生まれる「アナログ回帰」である。
スマホ一つで完結する便利さの裏で、人はどこか無機質さにも疲れている。
昭和の服に多く見られる、重みのある素材、手仕事の痕跡、完璧ではない風合いは、効率とは真逆の存在だ。
古着屋で一点ものを探し、自分の手で選び取る行為そのものが、物語になる。
そこには「消費」ではなく「出会い」がある。
この体験が、現代人の心を静かに満たしている。

さらに、社会全体の不透明さも、昭和への視線を後押ししている。
先が見えにくい時代において、昭和、特に高度経済成長期の持つ「右肩上がりの記憶」は、象徴的な安心感を帯びる。
昭和のファッションには、「これから良くなる」という時代の空気が、色や形となって刻まれている。
それは理屈ではなく、感覚として伝わり、今を生きる人々の心の支えになっているのかもしれない。

加えて、海外トレンドの影響も無視できない。
Y2Kファッションが一巡し、世界的に70〜80年代へと視線が遡る中で、ディスコやシティポップの要素が再び脚光を浴びている。
昭和ファッションは、現代の機能的な服と組み合わせることで、不思議なほど新しく見える。
過去と現在が交差するその瞬間に、「一番新しいスタイル」が生まれる。

昭和ファッションの再評価は、単なる流行ではない。
それは、今の時代が何を失い、何を求めているのかを映す鏡でもある。
人は未来だけでなく、過去からもエネルギーを借りて生きている。
昭和の服が今、これほどまでに支持されている理由は、そこに確かに「人間らしさ」が宿っているからなのだろう。