そして、抑圧はすでに病気である
ストレスは、人に話せないことから始まる。
そして、その状態が長く続いたとき、
それはもう性格や気の持ちようではない。
抑圧は、すでに病気である。
言えない。頼れない。弱さを見せられない。
そうした抑圧は、静かで目立たない。
だが確実に、心と身体を内側から削っていく。
問題なのは、抑圧が「頑張っている証拠」として
評価されやすいことだ。
我慢強い人、空気を読む人、迷惑をかけない人。
そうして褒められるほど、
その人は自分を押し殺すのが上手くなる。
抑圧は、ある日突然爆発する。
怒り、無気力、体調不良、
理由の分からない涙や不眠として現れる。
それを「弱くなった」と片づけてしまう社会は、
回復の機会をさらに奪ってしまう。
本来、感情は流れるものだ。
流れを止めれば、澱む。
澱み続ければ、腐る。
抑圧とは、感情の循環が止まった状態なのである。
だから必要なのは、
根性論でも、自己管理でもない。
安心して話せる場所と、
抑圧を「異常」として認識する視点だ。
我慢は美徳ではない。
抑圧は努力ではない。
それは、治療と回復が必要な状態である。
作品名:そして、抑圧はすでに病気である 作家名:タカーシャン



