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タカーシャン
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novelistID. 70952
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令和の働き方シリーズ

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令和の働き方シリーズ

豊かになったはずなのに、なぜ楽しくないのか

働き方改革が進み、共働きが当たり前になった。
収入は安定し、昔よりお金に余裕がある家庭も増えた。
数字だけを見れば、私たちは「豊か」になっている。

それなのに、なぜか楽しくない。
どこか息苦しく、満たされない。
その違和感を、忙しさや年齢のせいにして、見過ごしてはいないだろうか。

理由は単純だ。
お金は少し豊かになったが、心は置き去りのままだからだ。

共働きは、時間を分け合う働き方ではなく、
多くの場合「疲れを分け合う働き方」になっている。
家に帰っても、休む間もなく役割が続く。
会話は連絡事項になり、笑いは後回しになる。

働き方改革は、労働時間を短くしたかもしれない。
だが、心の余白まで増やしたわけではない。
空いた時間に、さらに予定を詰め込み、
効率よく生きることを自分に課してしまった。

心の豊かさは、残高では測れない。
ぼんやりする時間、意味のない会話、
何も生み出さない休日の午後。
そういう「役に立たない時間」が、人を生き返らせる。

お金があるのに楽しくないのは、贅沢だからではない。
心が、ずっと働き続けているからだ。

令和の働き方に必要なのは、
「余裕があるか」ではなく、
「余白があるか」を問い直すこと。
心が貧しいままでは、どんな改革も完成しない。