わたしは奇妙な夢を見た。スローに送り込まれる錯覚、目前のオモチャ箱の中、そこから突如として飛び出したのは水色のロボットだった。それは手のひらがＵ字型で立方体の頭部を持ち、背中にある双葉型ネジを巻くとジ・ジ…と不安定に二足歩行した。内包する狂気、衝動は機能する果てしなく。あぁ、そうなのだ、口の周りをチョコレート＆キャラメルでベタつかせた子供の首をかき切るためにステレオタイプのロボットはフルーツナイフを翳す。『ナイフはキラリと鋭利な光を放つ ! 』そのブリキの全身を持つ塊はまぎれもなく「我」なのだ。〜あ、という呟き。天井が見えて一斉に現実へと引き戻された。短くなった薄荷タバコが落下して反射的に手を払う。その瞬間、テーブル上のパイプ爆弾の配線に接触した。正常に起爆するなら予測される結果だ。火薬はごく少量に設定していた。乾いた爆発音、天井が被弾をし、甘い砂糖菓子とともに「白い塊」がパッと散って吹き飛んだ。咄嗟に自分の両手を見た。欠損したのは左中指の上部だと理解する。異質なエネルギーと圧倒的な力、低く跪いて、わたしの眼球は「ソレ」を探した。はたして約２センチの儚い破片は、エメラルドグリーンハートグミキャンディとともに転がっていた。
