令和に必要な居場所の条件
沢山の人の中にいても、
家にいるような感覚でいられる。
それは、安心・安全の最低条件にすぎない。
令和の社会には、それだけでは足りない。
そこにいると、
喜びが湧き、
ワクワクし、
明日への希望が自然に立ち上がってくる。
そんな居場所が、
今の時代には必要なのだ。
安心・安全とは、
緊張がないことでも、
叱責されないことでもない。
自分を調整しなくていい状態が保たれ、
なおかつ、
心が前を向いてしまう場所である。
人は、
守られただけでは動かない。
守られた先に、
「やってみたい」が生まれて、
初めて人は根を張る。
喜びも、希望も、
与えられるものではない。
湧いてくる環境があるかどうかだ。
地域が衰退するのは、
資源がないからではない。
制度が足りないからでもない。
人が、
安心して存在できる場所と、
前を向ける居場所を
同時に持てないからだ。
組織も同じだ。
評価制度や成果主義の前に、
「ここにいていい」と体が感じ、
さらに
「ここで何かしたい」と
心が動くかどうか。
そこを飛ばして、
成長や挑戦だけを求めても、
人は増えないし、定着もしない。
国もまた、例外ではない。
子どもが増える社会とは、
支援策の問題ではなく、
大人が希望を持って生きている風景が
日常にあるかどうかだ。
子どもは、
制度を見て育つのではない。
居場所の空気を吸って育つ。
沢山の人の中にいても、
家にいるようにいられる。
そして、
喜びとワクワクと希望が、
勝手に湧いてくる。
その居場所づくりこそが、
地域・組織・国が発展し、
子どもが増える社会の、
本当のスタートである。
作品名:令和に必要な居場所の条件 作家名:タカーシャン



