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タカーシャン
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novelistID. 70952
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半分は、未来に支えてもらう社会へ

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半分は、未来に支えてもらう社会へ

社会保険料が重い、と多くの人が感じている。
給料明細を見るたびに、なぜこんなに引かれるのかと首をかしげる。
それでも誰かを守るためなら、と自分に言い聞かせてきた。

けれど、ふと立ち止まると気づく。
この仕組みは、ずっと「今働いている人」だけに重さを預け続けてはいないかと。

日本はこれから、確実に人が減る。
これは予測ではなく、もう決まっている未来だ。
支える人は減り、支えられる人は増える。
それでも制度は「人が人を支える」前提のまま動いている。

無理が出ない方がおかしい。



私たちは「運用」という言葉に、なぜか強い警戒心を持つ。
危ない、損をする、失敗したらどうする。
だが、考えてみれば、何もしないことも立派な選択であり、立派なリスクだ。

人口が減るという確定したリスクと、
上下しながらも長い時間で育つ資産のリスク。
どちらが本当に危険なのだろうか。

実は日本には、すでに世界最大級の国の運用ファンドがある。
年金積立金だ。
短期の勝ち負けではなく、何十年という時間を味方にして、
静かに社会を支えてきた存在である。

つまり、「できない話」ではない。
もう、やっている話なのだ。



提案は単純だ。
社会保険を、すべて現役世代の肩に乗せない。
半分は、国が育てた資産に支えてもらう。

働く人が支え、
未来のために積み上げた資産も支える。
二本の柱で社会を保つ。

そうなれば、若い人の手取りは少し軽くなる。
賃上げが、きちんと報われる。
「働いても楽にならない」という感覚が、少し和らぐ。

そして何より、
若者と高齢者を対立させなくて済む。
誰かが誰かを責める社会ではなく、
社会そのものが、世代を越えて責任を持つ社会になる。



もちろん、いきなり半分は難しい。
政治も、国民も、そこまでの覚悟はまだない。
現実的な確率で言えば、すぐに実現する可能性は高くない。

けれど、10年、20年という時間で見れば話は変わる。
保険料を上げ続けることは、もう限界だからだ。
選択肢は、確実に狭まっていく。

やがて私たちは気づく。
運用しないことの方が、よほど無責任だったと。



社会保険とは、単なるお金の話ではない。
それは、「この国が未来をどう扱うか」という態度そのものだ。

すべてを今の人に背負わせるのか。
それとも、未来の力を信じて、少し預けるのか。

私は思う。
これからの時代、
社会は人だけで支えるには、重すぎる。

だから半分は、未来に支えてもらえばいい。
それは楽をすることではない。
未来に責任を持つ、という選択なのだから。