すぐに警鐘を鳴らす人へ
目に入った “間違い” を、
まるで火花のように拾い上げて
すぐに鳴らす。
しかし
見えているものなど
表面の、
そのまた表皮ほどの
わずかな一部にすぎない。
人の過ちも、
出来事の誤差も、
その裏には
数えきれない事情が重なり、
積み重なった時間があり、
語られてこなかった心がある。
警鐘はときに大切だ。
だが、
見えない深層に思いを寄せられる人は、
もっと大切だ。
世界はいつだって
“表面のほんの一部” だけでは
測れないから。
作品名:すぐに警鐘を鳴らす人へ 作家名:タカーシャン



