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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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見えない柱たち

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国を支えているのは、
誰だろうか。

経済界の要人、高所得の人々。
確かにその働きは大きく、
多くの人の暮らしを動かしている。
光の当たる場所で、
拍手と評価の渦の中を歩く人たち。

しかし——
国の土台を、毎日、黙って背負っているのは、
まったく別の場所に立つ人々だ。

名前が知られることもない。
称賛の言葉もほとんど届かない。
代わりの効かない、
誰もやりたがらない仕事を、
今日もただ、実直にやり切っている低所得の人たちだ。

夜明け前に動きはじめ、
人々が寝静まったあとも働き、
手は汚れ、身体はきしみ、
それでも「役に立てばいい」と黙々と。

その偉大さは、
本人さえ気づかない。
まして周りも気づかない。

けれど社会は、
この“見えない柱”たちの上に静かに立っている。
彼らが一日休めば、
経済界の豪華な建物も、
瞬く間に揺らぎはじめる。

世の中は、
人目につく場所だけで回っているのではない。
底辺と呼ばれる場所こそ、
本当の「基礎」であり、
そこが強いから、世界は倒れずにいる。

だから今日も、
名前も光も求めず、
ただ仕事を全うする人たちへ。

あなたが気づかないあなたの価値を、
社会全体が密かに支えられているという形で
証明している。

偉大さとは、
本人にも他人にも、
気づけないほど深く静かに宿るものだ。
作品名:見えない柱たち 作家名:タカーシャン