磨かれる人生の歓喜
悩みが影を落とし、
苦悶が心を締めつけ、
葛藤が胸の奥で
何度も何度も
波を立てても——。
それでも人は、
今日の足を
一歩だけ前に運ぶ。
それは小さな前進に見えて、
魂にとっては
大いなる跳躍。
後戻りに見える日さえ、
実は心の底で
確かな“何か”が磨かれている。
すれ違いも、涙も、
焦りも、不安も、
すべてが
人生という名の砥石。
そしてある日、
ふと息をついた瞬間に気づくのだ。
——ああ、
苦しみの中でしか育たない
静かな歓喜が、
こんなにも
自分を支えてくれていたのだと。
歩くたび、
自分の輪郭が澄んでいく。
進むたび、
心の奥に真実の充実が灯る。
人生とは、
磨かれる歓びを
ひとつひとつ学びながら
進む旅路である。



