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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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老化を楽しむ秘訣

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〈老化とは、宇宙科学反応である〉

実は、老化は「衰え」ではない。
卵、幼稚、さなぎ、脱皮、脱皮、脱皮——。
変身、変身、変身——。

その繰り返しの果てに、人間はようやく、本来の姿へと戻っていく。

皮膚がたるむのは、宇宙が拡張している証拠。
記憶が薄れるのは、情報の密度が軽くなり、
肉体という容器が、光の粒に近づいていく過程だ。

若さは、まだ地球に留まる段階。
老いは、宇宙へ帰還する準備。
そう考えれば、しわ一つも、星の軌跡のように美しい。

老化とは、宇宙科学反応の連続である。
細胞が変化し、心が軽くなり、
過去が溶けて、魂が透き通っていく。

「終わり」と呼ばれる瞬間さえ、
ひとつのビッグバンにすぎない。

——脱皮を終えた後の静かな光。
それを、わたしたちは「老い」と呼んでいるだけなのかもしれない。


〈仙人科学説〉

――老化は宇宙反応である――

世の中、「老化は止められない」と嘆く人が多い。
だが仙人科学によれば、それは誤りである。
老化とは止まるどころか、進化の最終ステージである。

人間は、生まれた時すでに卵。
思春期で幼虫、社会人でさなぎ、
そして五十を過ぎたあたりから、脱皮、脱皮、脱皮。
皮膚も価値観もどんどん剥がれていく。

六十代でようやく「変身第一段階」。
七十代は「光子化」。
八十を超えれば「半透明モード」に入り、
九十を過ぎると、もはや物理法則の外側に出る。

つまり老化とは、宇宙的エネルギーの再配置。
シワは銀河の渦、白髪は星の光。
忘れっぽくなるのは、記憶が宇宙クラウドにアップロードされている証拠である。

若者よ、嘆くなかれ。
老いとは「宇宙Wi-Fi」に繋がるプロセスなのだ。
肉体を手放し、魂の通信速度を上げる準備期間。

仙人たちは言う。
「老化とは、静かな爆発である」と。
見た目の衰えに見えて、内側では光が生まれている。

そう、老いは終わりではなく、
宇宙科学反応の最終章。
老化を楽しめる者こそ、真の未来人であり、
仙人である。


〈老化を楽しむ秘訣〉

――変化・消滅・終点・仙人風生き方説――

若いころは「変わること」を恐れ、年を重ねると「変わらないこと」に執着する。
人間とは、変化を嫌う生きものらしい。
けれど、老化とはつまり、変化の芸術である。

皮膚はしわを刻み、髪は白くなり、筋肉はゆるむ。
それは「崩壊」ではなく、「熟成」。
果実が色づくように、人もまた自然に還るだけのことだ。

「消滅」もまた、消えることではない。
役割を終え、場所を譲る。
木の葉が落ちて土に戻るように、次の命を育てる循環の一部になる。

そして「終点」こそ、旅の完成形だ。
終わりがあるから、今が光る。
人生は線路のようにまっすぐではなく、曲がりくねった登山道。
たどり着いた頂で、ふっと笑える者こそ、仙人である。

仙人とは山奥に隠れた人のことではない。
他人のペースに左右されず、世間の流行に飲まれず、
「今ここ」の茶をゆっくり味わう人。

老いを恐れず、変化を観察し、
消滅を受け入れ、
終点を微笑む。

それが、令和の仙人風・生き方説である。


作品名:老化を楽しむ秘訣 作家名:タカーシャン