地球の表面で起きていること ―宇宙から見ると―
地球の表面では、
今日も無数の出来事が起きている。
人が生まれ、死に、笑い、怒り、争い、許し合う。
戦争があり、恋があり、渋滞があり、コーヒーが冷める。
ニュースが流れ、誰かが涙し、誰かが投稿を更新する。
だが、宇宙の高みから見れば、
それは薄い青い膜の上での、ほんの微かな動きにすぎない。
海も山も、国境も、政治も、
すべて「表面のしわ」にすぎないのだ。
宇宙の静寂の中で見れば、
地球はひとつの呼吸体のように
ゆっくりと雲を動かし、
わずかに光を反射して、
生きている。
そこでは、善も悪も区別がない。
人間の作ったルールや価値観など、
ほんの表層の泡のようなものだ。
宇宙のまなざしは、裁かない。
ただ「観ている」。
それでも、私たちはこの表面で生きる。
痛みも喜びも、
この薄い皮膜の上でしか感じられないからだ。
宇宙的な視点に立てば、
人間の営みは取るに足らない。
だが、人間的な視点に立てば、
その一瞬一瞬こそが永遠に等しい。
宇宙から見た地球は、
静かに回り続けている。
その回転のわずかな震えの中に、
今日も誰かの「生きたい」という鼓動が重なっている。
宇宙は無言のまま、それを受け止めている。
そして、こう語りかけるように見える。
あなたたちの表面で起きていること、
それもまた、ひとつの美しい現象なのだ、と。
作品名:地球の表面で起きていること ―宇宙から見ると― 作家名:タカーシャン