怖い循環
石油から生まれた
便利さという名の夢
ボトル 袋 カップ ペン
あらゆる形に変えられ
人の手に渡り
一度使われ
やがて捨てられる
行き先は 海
波にもまれ 砕かれ 細かくなり
マイクロプラスチックとなって
魚の体へ
風に乗り 雲に混じり
雨となって
再び 地上へ降りてくる
気づけば その微粒子は
私たちの呼吸に入り
水に溶け
体の中へと 帰ってくる
人がつくったものが
人の中に戻ってくる
それは まるで
文明の鏡のようだ
便利さの裏で
何を見失ってきたのだろう
自然は 何も言わず
ただ すべてを返しているだけ
怖いのは 自然ではない
気づいていながら 止まれない
人間の欲の循環だ



