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猫と暮らしていると、「あれ、結局どっちが飼われているんだ？」と思うことがよくある。
呼んでも来ない。撫でようとすると逃げる。かと思えば、こちらが忙しくしている時に限って「今だ！」と言わんばかりに膝にのってくる。人間の都合なんて一切おかまいなし。けれどその自由奔放さが、実に羨ましくもある。

猫の魅力をひとことで言えば、「気まぐれの天才」だ。
嫌なときは嫌。眠いときは眠る。遊びたいときは全力疾走。なんと正直な生き方だろう。人間だったら「空気読め」と怒られる場面でも、猫は「空気？吸うものだろ？」としれっとした顔をしている。

それでいて、ときどきとんでもない破壊力で甘えてくる。膝に乗ってゴロゴロ喉を鳴らされた日には、こちらの心拍数まで同調してしまうほど。結局、人間はその音に癒やされて、どんな失敗も忘れてしまう。まるで猫は、音響療法士の資格でも持っているかのようだ。

そして何よりも、猫から学べるのは「無理をしない生き方」だ。
眠いときに寝る。ご飯が欲しいときに鳴く。嫌なものはきっぱり拒否する。実にシンプルだ。人間が見習えば、肩こりやストレスの半分は消えてなくなるかもしれない。

結局のところ、猫はただそこにいるだけで人生の先生になる。
しかも授業料は高級キャットフードと柔らかい寝床くらい。安上がりどころか、こちらが喜んで払いたくなるのだから不思議だ。

猫の良さは百も千もあるけれど、要するに「自由で、ズルいくらいかわいくて、しかも人間より人生がうまい」そういうことなのだと思う。