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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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声援という見えない太陽

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声援という見えない太陽

 応援の声は、どこまで届くのだろう。スタジアムの歓声が空に抜けていくとき、ただの音にすぎないはずなのに、選手の背中を押す力を持つ。距離を越えて届くものは、耳で聞く音量ではなく、声の奥にある祈りのような願いだ。

 誰かを励ます声は、言葉を超えたエネルギーを帯びる。かすれた囁きでも、遠い地からのメッセージでも、人の心を揺さぶるとき、それはまるで核エネルギーのように深部で発火し、発奮させる。自分ではもう動けないと思った足を、もう一歩だけ前へと押し出してくれる不思議な力だ。

 その力は、未来への希望を呼び起こす。絶望の縁に立つ人に、まだ見ぬ景色を信じさせる。応援は「大丈夫」という言葉の集合体ではない。無言の肯定だ。あなたがここにいること自体が、世界に必要だという証明である。

 だから声援は、太陽の光に似ている。直接触れることはできないが、確かに温もりを残す。曇った心をすり抜け、身体の奥で光をともす。受け取った人は、自分が光っていることさえ忘れた暗闇の中で、その光を思い出す。

 応援する人もまた、その声に照らされている。誰かを励ます瞬間、私たちは自分自身の中にある希望を再び確認する。届く距離を測ることはできない。だが、祈りのように投げかけた声は、必ずどこかで太陽のように誰かの心を温めている。