心の音楽
人は、寡黙であることがある。
沈黙は、生涯続くかもしれない。
しかしその静けさの裏には、計り知れない思いが渦巻いている。
思いは無限大で、星の数の如く、心の内側で輝き続ける。
言葉にできず、誰にも見せず、ただ胸の奥で膨らむその光は、
成熟した時を迎えると、やがて形を持つ。
それは言葉になり、詩となり、物語となる。
そして、心の音楽として世界に放たれる。
耳に届かずとも、電波のように空気を伝わり、
あらゆる人々の縛られた心を解きほぐす。
沈黙の時間は、単なる空白ではない。
それは、静かに熟成された力であり、
やがて世界を優しく揺さぶる旋律の源なのだ。
心の奥底で眠る思いは、
いつか必ず外へと飛び出し、
見えない糸で人々をつなぎ、
理解と共感の波となって広がっていく。