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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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すべてを吹き飛ばす笑いのちから

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すべてを吹き飛ばす笑いのちから

情報が洪水のように押し寄せ、何を信じればいいのか分からない。
価値観は次々と入れ替わり、昨日の常識が今日には崩れ去る。
「心の時代」と言われながらも、私たちは心を守ることに必死で、
迷い・混迷・崩壊・不信・困惑――そんな言葉が日常語になった。

そんな空気を、一瞬で変えてしまう存在がある。
お笑い芸人だ。

彼らは現実を逃げずに切り取り、
苦さも矛盾も丸ごとネタに変えて舞台に立つ。
目の前でくり広げられるツッコミやボケは、
「正しさ」や「立場」を超えた等身大の人間の喜劇だ。
その瞬間、観客の胸を覆っていた重い雲がふっと割れる。
怒りや不安をかかえたままでも、
笑いが出たときの体は、抵抗できないほど軽くなる。

笑いは批評でもあり、癒やしでもある。
権威や制度をおちょくることで、
「絶対」の仮面を剥がし、私たちを自由にする。
同時に、みんなで同じ場面に吹き出すことで
「ここに一緒にいる」という安心を取り戻させてくれる。

崩壊や不信が広がる時代ほど、
笑いは単なる娯楽以上の力を持つ。
それは空気を換える風であり、
失われたものを回復させる再起動のスイッチだ。

世界を劇的に変えるのは、政治家でも経済学者でもないかもしれない。
無防備なほど真っ直ぐに笑いを届ける、
ステージに立つ一人のお笑い芸人――
その存在が、人々の心をつなぎ直し、
迷いの時代を吹き飛ばす。

笑いがある限り、私たちは何度でもやり直せる。