心に根を持つ生き方
ふるさと——。その言葉には、誰もが思い描く景色や匂い、懐かしい声が詰まっている。けれど、私は特定の町や地域に強くこだわることはない。どこに住んでも、あるいは移り住んでも、それほど違和感を覚えない自分に気づく。
この感覚は、よく「根無し草のようだ」と言われるかもしれない。でも、私はそうは思わない。
それは**「帰属」から「選択」への進化**だと感じるからだ。
生まれ故郷や血縁という枠組みに縛られることなく、自分がその時に最も心地よい場所を選び続ける。場所を選ぶ自由は、単なる無軌道ではない。むしろ、自分の心にしっかりと根を下ろしている証拠だ。
誰もが帰るべき場所を持つわけではない。けれど、心に居場所をつくることはできる。
日々の暮らし、出会う人々、愛する習慣——それらが、私のふるさとになる。
心に根を持つ生き方は、決して一か所に縛られない自由と安心を同時に与えてくれる。
そして私は今日も、自分の心地よい場所を選びながら、知らない街の風を感じる。
それが、私の「根を持つ生き方」だ。