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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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夏の終わり

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夏の終わり

夕暮れの空が少しずつ群青に変わるころ、胸の奥がキュンとするのは――
目の前の景色が、過去と今とをやわらかく溶かし合わせてくれるからかもしれません。

子どもの頃に感じた「夏が終わる」あの一瞬。
セミの声が遠ざかり、草むらでは虫の音が小さく鳴き始める。
時間は確かに流れていて、もう二度と同じ夏は戻らない。
その切なさが、ため息のように胸を通り抜けていく。

黄昏は、光と影が交差する境い目。
過去と未来をつなぐ“中間地点”のような時間帯です。
人はその曖昧さに、自分の終わりや変化を重ね、
「いまここ」にいる心を確かめたくなる。

だからこそ、夕暮れは懐かしくもあり、哀愁を帯びている。
その寂しさは、失われゆくものへの悲しみだけでなく、
生きてきた証を感じる喜びでもあるのです。

胸がキュンとするのは、
過去への愛情と、未来への期待が
同じ瞬間に響き合うから。

――虫の音が教えてくれます。
「この時間は、もう戻らない。
でも、その一度きりが美しい」と。
作品名:夏の終わり 作家名:タカーシャン