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タカーシャン
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novelistID. 70952
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芸人のように生きるということ

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芸人のように生きるということ

人は誰しも、悲惨な過去を一つや二つは抱えている。
裏切り、失敗、別れ。
けれど、それをただ「不幸」と呼ぶか、「素材」と呼ぶかで、
その後の景色はまるで違ってくる。

私が惹かれるのは、悲惨さを力に変える人だ。
痛みを笑いに、挫折を物語に、涙をユーモアに。
芸人が舞台で自分の失敗談を笑いへと変えるとき、
客席に流れるあの解放感。
あれは「人間っていいよな」という肯定の空気そのものだ。

経験は万能の筋トレだ。
転職、家庭、病気、失恋――
どの出来事も、心を鍛える無形の重り。
重ければ重いほど、柔軟に、しなやかに動ける筋肉がつく。
場を読む勘も、人を受け止める懐も、
辛い経験からしか育たない。

結局、人間を無敵にするのは肩書きでも資格でもない。
誠実さ、温かいまなざし、
自分を笑える余裕――
その人間性だけが、最後まで武器になる。

だから私は、芸人のように生きたい。
自分の過去を、ただの荷物にしない。
ステージに立ち、笑いとともに差し出す。
あの日の悲しみが、誰かの救いになるかもしれないから。

悲惨であればあるほど、
人は面白く、しなやかで、自由になれる。
人生はネタだ。
そしてネタは、すべて生きるための光になる。