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タカーシャン
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novelistID. 70952
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限界のない時代と、限界から始まる時代

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限界のない時代と、限界から始まる時代

昭和は「限界」という言葉が似合わない時代でした。戦後の焼け野原から立ち上がり、経済は右肩上がりに成長し、人々の暮らしも年ごとに豊かになっていく。そこには「努力すれば未来はもっと良くなる」という、根拠のある確信がありました。限界など意識されず、むしろ「上を目指せば、どこまでも広がる」という気分が社会全体を支配していたのです。

それに対して令和は、出発点から「限界」を背負わされています。少子高齢化、人口減少、資源やエネルギーの制約、環境問題の深刻化──どれもが「無限の拡大」はもう望めないことを告げています。未来を語るときには、必ず「持続可能性」という言葉が添えられる。つまり、伸び続けることよりも「いかに維持し、調和させるか」が焦点になっているのです。

けれど、これは決して悲観すべきことではありません。限界を知らない昭和の人々が築いたものがあったように、限界を前提とする令和の私たちにも、新しい役割があります。それは「有限を前提にしながら、その中でいかに工夫し、いかに豊かに生きるか」を探ることです。

無限の拡張が夢を与えた時代も、人間の力を信じる希望でした。
有限を受け入れ、その中で花を咲かせる時代も、また人間の知恵を信じる希望なのです。

昭和の「限界のなさ」と、令和の「限界から始まる姿勢」。
この二つは矛盾ではなく、むしろ人類の歩みを支える両輪なのだと思います。