小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
タカーシャ
タカーシャ
novelistID. 70952
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

人を選ぶということ 〜決断の裏にある見えない回路〜

INDEX|1ページ/1ページ|

 
人を選ぶということ 〜決断の裏にある見えない回路〜

人は、日々さまざまな「人」を選んでいる。
友だち、仲間、恋人、仕事のパートナー、そして付き合う相手や信頼する上司。
その選択は、人生の道しるべにもなる大切な決断だ。

しかし、私たちが「この人だ」と思う瞬間、その決定は単純ではない。
そこには、目に見えない複雑な思考回路と感情の交錯がある。



まずは、ほんの一瞬の「第一印象」。
見た目や話し方、声のトーン、表情など、五感を通じて瞬時に感じ取る「好き」や「苦手」。
これは脳の奥にある感情の中枢が、過去の経験や記憶と照らし合わせながら、
無意識に「安全か危険か」を判定しているからだ。

次に訪れるのは、過去の経験の呼び覚ましだ。
かつて似たような人との出会いが良かったのか、あるいは傷ついたのか。
この経験が、「この人とは合いそう」「あの時のように苦しみたくない」という感情を無意識に動かす。

そして、理性的な評価も働く。
相手の能力や言葉の中身、価値観の一致、不一致をじっくり考える。
「得か損か」「共に歩めるか」という現実的な計算も欠かせない。

しかし、こうした感情や理性だけでなく、最後に決め手となるのは、直感的な「なぜか惹かれる」という感覚。
言葉にならない何か、匂いや雰囲気のようなもの。
これが、決断の最終盤で強く働き、私たちの選択を決めることが多い。



では、なぜ時に選択を間違い、後悔するのか。

それは、私たち自身の「状態」が判断を曇らせているからだ。
焦りや孤独、不安の中で選ぶ相手は、依存の対象になりやすい。
また、相手の良い面だけを見て理想化し、現実とのギャップに苦しむこともある。

さらには、自分が本当に求めているものを知らずに、表面的な情報だけで決めてしまうことも。
SNSの投稿や噂話、短い接触だけで決めた相手に失望することも少なくない。



このように、人を選ぶという行為は、単なる表面的な判断ではなく、
私たちの感情、記憶、理性、そして潜在意識が入り混じった、複雑なプロセスである。

だからこそ、重要なのは「人を見る目」を養うことだけではない。
自分自身を知り、自分がどんな人といると安心できるのか、何を求めているのかを理解すること。
それができて初めて、正しい選択ができるのだ。



人生のパートナーも、友人も、仕事の仲間も、
選ぶ力は自分を知る力とセットで育てていきたい。

そうすれば、選択に迷い、後悔することも減り、
本当に大切な人と心地よくつながっていけるはずだ。