一枚の紙
たった一枚の うすい紙
けれど その紙には
とてつもない 力がある
そこに 書かれた文字で
人は 笑い
人は 泣き
人生が 動く
お金という名の 紙切れ
それがあれば モノが手に入り
それがなければ 生きるのが苦しい
契約書
たった数行で 人と人は しばり合う
自由を売ることも
未来を約束することも できてしまう
診断書
たった一枚で 安心も不安もくる
命の時間を 告げることもある
判決文
「無罪」か「有罪」か
生きるか 死ぬか
一枚の紙が それを決めてしまうことも
証明書、推薦状、辞令、領収書、遺言書…
紙は ただの紙なのに
そこに書かれた「ことば」は
目には見えない力を持ち
人の心を 世界を 動かしてしまう
だからこそ わたしは思う
一枚の紙に なにを書くか
その「ことば」を どう使うか
それは わたしが
どんな人でありたいか
それを問われているのかもしれ