心の一日詩
追い詰められる──
そんな出来事は、実は「出来事」そのものではない。
何が起きたか、ではなく、
その出来事をどう受け止めたか。
「どうしようもない」
「逃げ場がない」
「もう限界だ」
──その感情こそが、
人を締めつけ、苦しめる。
本当に苦しいのは、
できないことではなく、
できない自分を責め続ける心。
誰かの期待に応えられないことではなく、
応えられないことで、自分の価値がなくなる気がすること。
ならばもう、思考の海から上がろう。
理由も整理も置いておいて、
とにかく今日は、寝てしまえ。
眠るという行為は、
人生に対する「一時停止」ではなく、
心のための「再起動」かもしれない。
明日は、今日よりほんの少し、
光のほうを向ける力が戻っているかもしれないから。
『体当たり』
眠っても、
朝になれば、よみがえる。
昨日の出来事。
心の中のざらつきも、後悔も、
夢の奥から引きずり出されてくる。
「何も変わっていない」と思う。
でも、それでも──
目を開けて、
立ち上がることができた。
それは、立派な体当たり。
逃げ出したくなる気持ちを引き連れて、
今日に向かって、ぶつかっている。
かっこよくなくてもいい。
計画なんてなくてもいい。
ただ、自分の足で、
自分の朝を踏みしめる。
それだけで、もう
十分に、命が動いている証なんだ
『なんとかなる』
昼になると
少しずつ 見えてくる
焦っていた朝には
見えなかったことが
時間の中で 浮かび上がってくる
あ、こっちかもしれない
やってみようか
そんなふうに
体も 心も 前を向きはじめる
完全じゃなくていい
不安はあって当然
でも
「なんとかなる」って
つぶやいたその声が
自分の背中をそっと押してくれる
風が通る
道ができる
今日の昼は
少しだけ 軽くなる
『決まった』
夕方──
静かに、でも確かに、決まった。
ぐるぐる回っていた思考も
一歩ずつ動かしてきた今日の自分も
全部、今につながっていたとわかる
無理せず、
でも逃げずに
自分なりの形で向き合った
その結果が、
「よし、これでいこう」
そんな小さな、けれど本物の決意。
心にスッと風が吹く
緊張がほどけ、少し笑える
今日の自分に、ありがとうと言える
夜──
安心の眠りが待っている
そして、ほんの少し
明日が楽しみになる