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タカーシャ
タカーシャ
novelistID. 70952
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やさしさで回る世界

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「やさしさで回る世界」

誰かがやらなければならないこと。
たとえば、掃除、介護、子育て、町内のごみ当番。
災害後の片づけ、職場の雑用、家族の世話。

できなくなった人の代わりに、
「誰か」がやっている。

では、その“誰か”はどうやって決まるのだろう。

身近な人だから?
時間や心に余裕があるから?
経験があるから?
それとも、何も言わずに背負ってしまう「やさしさ」ゆえか。

気づけば、目立たずとも
誰かの人生は、見えない負担でできている。

無償の行為。
期待されない働き。
それが、社会を、家族を、毎日を支えている。

「ありがとう」と言われないこともある。
むしろ当然とされることもある。
だけど、そこには、確かに“やさしさ”が息づいている。

やさしさは、誰にも強制できない。
だけど、それに甘えてばかりもいられない。

誰かのやさしさが、この世界を回しているなら、
自分もまた、“誰か”になれる日を、見つめていたい。

できるときに、できるかたちで。
支え合うとは、そういうことかもしれない。



(続き)
「やさしさの先にあるもの」

誰かのやさしさで回る世界。
けれど、それだけでは
追いつかないこともある。

疲れもあるし、思いが伝わらないこともある。
理不尽もあるし、報われないこともある。

それでも——
「なんとかなるよ」
「なるようにしかならないさ」

そんな声が、どこからか聞こえてくる。

力強いというより、ちょっと抜けたような。
深呼吸のような。
そして、なんだかホッとする。

あきらめではない。
投げやりでもない。

それは、希望だ。
静かに未来を信じるということ。
どうしようもないときこそ、
人は“なんとかなる”という言葉を灯す。

楽観とは、心の予備電源かもしれない。
何かが壊れても、真っ暗にはならないように。

やさしさの中に、楽観を。
楽観の中に、希望を。
希望の中に、またやさしさを。

世界は、案外、
その繰り返しで回っているのかもしれない。

作品名:やさしさで回る世界 作家名:タカーシャ