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タカーシャ
タカーシャ
novelistID. 70952
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生きることは、循環の中にいること ーー 水・風・土・火 ーー

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「生きることは、循環の中にいること」

生きるって、決して当たり前のことじゃない。

たとえば、夏の炎天下。
水も飲まず、食事もとらずにいれば、
体はどんどん乾いていき、命は危険にさらされる。

人間の体は、絶え間ない循環の中にある。
水を取り入れ、汗や呼吸で放出し、また補う。
血液がめぐり、酸素を運び、老廃物を流す。
食べたものが消化され、栄養となって全身を巡る。

この循環がどこかで止まれば、
体は悲鳴をあげ、心もまたその影響を受ける。

心も同じように、循環している。
喜びも、悲しみも、怒りも、不安も――
感じることで流れは生まれ、
誰かに話したり、涙を流したり、
笑ったりすることで、また心のめぐりは整っていく。

つまり、「生きる」とは、
体と心が止まらずに巡り続けている状態。

血が流れ、水が巡り、
感情が動き、言葉が生まれる。

その循環があるからこそ、
私たちは今日も立っていられるし、笑っていられる。

だからこそ、自分に問いかけたい。
ちゃんと水を飲んでいるか。
ちゃんと眠れているか。
心をため込んでいないか。
誰かと気持ちを分かち合っているか。

生きるとは、止まらない循環の中にいること。
流れが滞ったときには、少し立ち止まって、
またそっと、流れを取り戻せばいい。

私たちは、いつも、循環の中で生きている。



「水のように、生きる」

生きることは、水のようでありたいと思う。

流れを止めず、
とどまることも、しみわたることもできる存在。

私たちの体は、ほとんどが水でできている。
のどが渇いたら飲み、汗となって出ていく。
涙になり、体温を調整し、
命のすみずみまで、静かに流れている。

水が止まれば、よどむ。
冷たくなり、重くなり、
やがて命の巡りもにぶくなる。

心もまた、水と同じ。
流れていれば、しなやかで澄んでいる。
怒りや悲しみ、迷いや不安――
感じたままに流せばいい。
流せば、濁らない。
流せば、またきれいになる。

人との関係も、水のようにありたい。
押しすぎず、引きすぎず、
ときに受け入れ、ときに手放しながら、
自然にかさなり、寄り添い、
やがてまた、それぞれの道へと流れていく。

水は、かたちを持たない。
けれど、どんな器にもなれる。

それは、私たちの心にも似ている。
固めすぎず、流されすぎず、
やわらかく、でも芯のある流れをつくっていこう。

生きるとは、
水のように、今日もめぐり、しみこみ、
誰かとつながり、自分と向き合いながら、
新しい一日を潤すこと。

あなたの今日の一滴が、
誰かの明日を潤すかもしれない。




「風のように、生きる」

風は見えない。
でも、確かにそこにいて、
そっと揺らし、吹き抜け、運んでいく。

生きることもまた、風のようなものかもしれない。
目に見えないけれど、私たちの中には、
思いや願い、感情や希望が風のようにめぐっている。

風は、強く吹きすぎれば、木々を折る。
でも、そよ風なら、人の頬をやさしく撫でる。
言葉も同じ。
強すぎれば誰かを傷つけ、
やわらかければ心を癒す。

とどまらないこと。
とらわれすぎないこと。
どこかへ向かう流れの中で、
自分の風を感じながら、そっと吹いていくこと。

風は、遠くの香りを運び、
新しい空気を届けてくれる。
私たちもまた、誰かの心に、
やさしい追い風になれるかもしれない。

生きるとは、
風のように、自由でいて、しなやかであること。



「土のように、生きる」

土は、いちばん下にある。
でも、すべての命を支えている。

踏まれても、汚れても、
文句ひとつ言わずに、
種をあたため、芽を育て、
根を張らせて、実りをつくってくれる。

生きることは、土に似ている。

目立たなくてもいい。
静かであってもいい。
誰かの夢や笑顔の、根っこになれたなら、
それだけで価値がある。

土は、休むことも知っている。
冬の間、じっと力を蓄えて、
春になればまた、育む準備をはじめる。

人間も同じ。
働くだけがすべてじゃない。
立ち止まり、深く息を吸い、
眠るように、静かに過ごす日があっていい。

生きるとは、
土のように、黙って支え、
根を信じて、待つことでもある。



「火のように、生きる」

火は、熱を生む。
光を生む。
命を温め、夜を照らし、
人の暮らしに、希望をもたらしてきた。

でも火は、扱いを間違えれば、
すべてを焼き尽くす力も持っている。
やさしい火と、こわい火。
そのどちらも、人の心にある。

生きることもまた、火に似ている。

情熱がある。
怒りがある。
やりたい、という強い思いがある。
あたためたい人がいる。
守りたいものがある。

火を灯すのは、自分の心。
小さくてもいい。
ゆらゆらでもいい。
一度ついた火は、誰かの心にも届く。

火は、何かを変える力を持っている。
凍った心を溶かし、
真っ暗な場所に光を灯す。
希望の火は、小さくても消えない。

疲れたときは、薪をくべよう。
静かに燃やし直そう。
火は無理やり燃やすものではなく、
そっと見守りながら育てるもの。

生きるとは、
火のように、あたたかく、強く、
そして、誰かを照らす光であること。