やらない という せきにん
「やることが せきにんある こうどうだ」
そう教えられることが よくあります。
たしかに、やるべきことを やらないと、
まわりに めいわくが かかることもあるよね。
やろうとしないのは、むせきにんに なることもある。
でもね、
「やらない」ことにも、意味があるときがあるんだ。
たとえば——
友だちが けんかしているとき。
すぐに 口を出して どっちが正しいか決めるのではなくて、
しばらく見まもることが大事なこともある。
だれかが まちがってるように見えるとき。
すぐに なおしてあげるんじゃなくて、
その人が じぶんで気づくまで 待つことが、ほんとうの思いやりかもしれない。
「まつ」って、実は とても むずかしいこと。
でも、「まつこと」も また、じぶんのせきにんの とりかたの ひとつなんだ。
そして、さいごに大事なのは——
どちらを選ぶにしても、その結果をじぶんで引きうけること。
やってもうまくいかないこともある。
やらなくて 後から後悔することもある。
でも、だれかのせいにしないで
「これは じぶんが えらんだことだ」って思えることが、
ほんとうの「せきにん」だと思うんだ。
作品名:やらない という せきにん 作家名:タカーシャ