きみを、どこから見るか
人の魅力って
近づけば近づくほど
見えなくなるときがある
まるで絵画のようだ
細部を直視すればするほど
塗りムラや線の乱れが目につく
「え?」って思う
「こんな人だった?」って迷う
好きだった気持ちが、わからなくなる瞬間
でも――
すこし離れて見てみると
その人の輪郭がふわっと浮かび上がる
全体が整って
色づいて
美しく見えてくる
星もそう
空の近くで見たら
ただのガスの塊で
熱くて危険で
形もない
でも
遠くから見れば
どの星も、全部キレイだ
人も同じ
アラなんて
見ようと思えば いくらでも見える
でもそれは、近すぎるだけかもしれない
ほんとうの魅力は
見すぎず
見逃さず
ちょうどいい距離で
そっと見守る目にだけ
見えてくるのかもしれない
きみを、どこから見るか
それが「愛する」ということなのかもしれないね
作品名:きみを、どこから見るか 作家名:タカーシャ