心のアップデート 詩集
〜 こころに、そっと風を通す言葉たち 〜
【はじめに】
わたしたちの「こころ」は、毎日いろいろなことを感じながら
知らないうちに、すこしずつ変わっていきます。
でも、ときどき止まったり、
重くなったり、
つながらなくなったりもする。
そんなとき、
心にも「アップデート」が必要なのかもしれません。
この詩集は、
あなたの心にそっと寄りそい、
今日という日をあたらしく感じられるように――
そんな願いを込めて綴った、6つの小さな言葉の贈りものです。
<心のアップデート = 第1話 >
〈人って な〜に?〉
毎日 いっしょうけんめい
動いているんだよ
からだの中の 細胞(さいぼう)たちが
何千億、何兆個――
みんなで協力して
体を なおしたり
元気にしたり
リサイクルして 生まれ変わってる
きのうの自分と
きょうの自分は
もう ちがうんだよ
気づかないうちに
細胞は 毎日 再生(さいせい)してる
からだの中で つくっては なおして
新しい自分になってる
ぼくたちは 小さな製薬(せいやく)工場も
手術室(しゅじゅつしつ)も 持ってる
ちゃんと リノベーション(生まれ変わり)してるんだ
でもね――
「自分なんて 変わらない」って思ってしまうこと、あるよね
その気持ちは
充電が切れたスマホみたい
大事なことを うけとるアンテナが 止まっちゃってる
だから
こころも アップデートが ひつようなんだ
毎日
あたらしい気持ち
あたらしい言葉
あたらしい出会いで
こころを 更新(こうしん)していこう
体の細胞は だんだん 年をとるけど
こころは――
無限に 育っていく
成長には
終わりなんて ないんだよ
永遠に。
<心のアップデート 第2話 >
〈こころのWi-Fi〉
ときどき こころが
つながっていない 気がするときがある
だれかといても ひとりぼっちみたい
言葉は聞こえているのに
なんだか 届いてこない
こころのWi-Fiが
弱くなってるんだね
ずっと無理してたり
わかってほしい気持ちを 言えなかったり
ひとりでがんばりすぎてると
こころのアンテナが 折れてしまうことがある
そんなとき
ふとした一言で
ピピッと つながることがある
「だいじょうぶ?」
「無理しなくていいよ」
「いてくれて うれしい」
たった一言で
こころの電波が はっきり届く
人のやさしさは
こころのWi-Fiのルーターみたいなもの
あたたかい言葉
やわらかなまなざし
そっとよこにいてくれる気配
そういうものが
こころのアンテナを 立てなおしてくれるんだ
ときどきでいい
自分にも 声をかけてあげよう
「よくがんばってるね」
「つながらなくても、大丈夫」
「今日は自分をやさしくしてあげよう」
こころのWi-Fiは 人とのあいだにあるけれど
まずは じぶんと つながることから
つながったとき
きっと 新しい世界が ひらけてくるから
<心のアップデート 第3話 >
〈エラーが出ても、再起動。〉
なんだか うまくいかない日がある
朝から つまずいて
どこかで 間違えて
気づいたときには もう、動けない
あれもこれもダメだった気がして
自分がイヤになってくる
こころに「エラー」が出てるんだね
それは
「まちがえちゃダメ」って 思いすぎたこと
「ちゃんとしなきゃ」って がんばりすぎたこと
そうやってこころは
ときどき かたまっちゃうことがある
でもね、だいじょうぶ
エラーが出たら、「再起動」すればいいだけ
スマホだって パソコンだって
固まったら 一度 電源を切るよね?
こころだって いっしょだよ
いったん止まって
ふーっと深呼吸して
すきな音楽でも聴いて
空でも見上げてごらん
「がんばらなくちゃ」はおやすみにして
「よくがんばったね」って言ってあげよう
再起動のスイッチは
いつでも じぶんの中にあるんだ
ちゃんと休んで
ちゃんと止まれば
また動き出せる
新しい気持ちで
やりなおせる
だから――
エラーが出ても、再起動。
それだけで
こころはまた、歩きはじめるよ。
<心のアップデート 第4話 >
〈アップデートには 時間がかかる。〉
がんばっているのに
うまくいかないときがある
わかろうとしてるのに
まだ もやもやしていることがある
まわりは どんどん進んでいるのに
じぶんだけ とりのこされてる気がする
だけどね――
アップデートには、時間がかかるんだ
スマホも パソコンも
更新(こうしん)するときは
ぐるぐる、ぐるぐる
しばらく 動かなくなるでしょう?
こころだって おなじ
あたらしい考え方
あたらしい気持ち
あたらしい自分になるには
少し 立ち止まる時間が いるんだよ
焦らなくていい
あせらなくていい
止まっているように見えても
心の中では ちゃーんと 何かが動いてる
まだ 見えないだけなんだ
ぐるぐるしてても だいじょうぶ
今はただ
“読み込んでる途中”だから
そのうち、ぴんっと目がさめて
あっ、わかった、ってなる日がくる
それまでの時間も
ぜんぶ、アップデートの一部なんだよ
<心のアップデート 第5話 >
〈心のストレージ〉
スマホやパソコンには
ストレージ(保存できる場所)がある
たくさんの写真や音楽やアプリを入れていくと
いつか「容量がいっぱいです」って 出てくる
それって――
じつは 心も おなじかもしれない
知らないうちに
心の中に たくさんのことを しまいこんでる
昔 言われたきつい言葉
「できない」「無理」「どうせ自分なんて」
そういう言葉が いつの間にか
ファイルのように 心に積み重なっていく
誰にも見えないからこそ
ときどき 整理(せいり)してあげよう
ほんとうに 今の自分に必要?
もう使わないのに ずっと残してない?
つらかったことも
恥ずかしかったことも
思い出して涙が出ることも――
「ありがとう」って言って
そっと削除(さくじょ)してもいい
そして
新しいことばを 入れていこう
「たのしい」
「やってみたい」
「すき」
「だいじょうぶ」
心のストレージは
わたしだけの宝箱
だからこそ、選んで入れていく
ちゃんと整えれば
きっと、軽くなる
きっと、自由になる
<心のアップデート 第6話 >
〈今日の自分は、昨日のつづきじゃない。〉
「昨日あんなこと言っちゃった」
「また同じ失敗をした」
「どうせ私なんて…」
そんなふうに
昨日のことを 今日までひきずってしまうときがある
でもね――
今日の自分は、昨日のつづきじゃない
たしかに
つながっているようでいて
心は 夜のあいだに こっそり
変わっていることがあるんだよ
たったひとつの言葉
たったひとつの出会い
たったひとつの気づきで
心は がらりと 向きを変えることがある
昨日の自分が
「できなかった」としても
「ダメだった」としても
今日のあなたは
あたらしいスタートを切っていい
昨日のまちがいに ひっぱられなくてもいい
【はじめに】
わたしたちの「こころ」は、毎日いろいろなことを感じながら
知らないうちに、すこしずつ変わっていきます。
でも、ときどき止まったり、
重くなったり、
つながらなくなったりもする。
そんなとき、
心にも「アップデート」が必要なのかもしれません。
この詩集は、
あなたの心にそっと寄りそい、
今日という日をあたらしく感じられるように――
そんな願いを込めて綴った、6つの小さな言葉の贈りものです。
<心のアップデート = 第1話 >
〈人って な〜に?〉
毎日 いっしょうけんめい
動いているんだよ
からだの中の 細胞(さいぼう)たちが
何千億、何兆個――
みんなで協力して
体を なおしたり
元気にしたり
リサイクルして 生まれ変わってる
きのうの自分と
きょうの自分は
もう ちがうんだよ
気づかないうちに
細胞は 毎日 再生(さいせい)してる
からだの中で つくっては なおして
新しい自分になってる
ぼくたちは 小さな製薬(せいやく)工場も
手術室(しゅじゅつしつ)も 持ってる
ちゃんと リノベーション(生まれ変わり)してるんだ
でもね――
「自分なんて 変わらない」って思ってしまうこと、あるよね
その気持ちは
充電が切れたスマホみたい
大事なことを うけとるアンテナが 止まっちゃってる
だから
こころも アップデートが ひつようなんだ
毎日
あたらしい気持ち
あたらしい言葉
あたらしい出会いで
こころを 更新(こうしん)していこう
体の細胞は だんだん 年をとるけど
こころは――
無限に 育っていく
成長には
終わりなんて ないんだよ
永遠に。
<心のアップデート 第2話 >
〈こころのWi-Fi〉
ときどき こころが
つながっていない 気がするときがある
だれかといても ひとりぼっちみたい
言葉は聞こえているのに
なんだか 届いてこない
こころのWi-Fiが
弱くなってるんだね
ずっと無理してたり
わかってほしい気持ちを 言えなかったり
ひとりでがんばりすぎてると
こころのアンテナが 折れてしまうことがある
そんなとき
ふとした一言で
ピピッと つながることがある
「だいじょうぶ?」
「無理しなくていいよ」
「いてくれて うれしい」
たった一言で
こころの電波が はっきり届く
人のやさしさは
こころのWi-Fiのルーターみたいなもの
あたたかい言葉
やわらかなまなざし
そっとよこにいてくれる気配
そういうものが
こころのアンテナを 立てなおしてくれるんだ
ときどきでいい
自分にも 声をかけてあげよう
「よくがんばってるね」
「つながらなくても、大丈夫」
「今日は自分をやさしくしてあげよう」
こころのWi-Fiは 人とのあいだにあるけれど
まずは じぶんと つながることから
つながったとき
きっと 新しい世界が ひらけてくるから
<心のアップデート 第3話 >
〈エラーが出ても、再起動。〉
なんだか うまくいかない日がある
朝から つまずいて
どこかで 間違えて
気づいたときには もう、動けない
あれもこれもダメだった気がして
自分がイヤになってくる
こころに「エラー」が出てるんだね
それは
「まちがえちゃダメ」って 思いすぎたこと
「ちゃんとしなきゃ」って がんばりすぎたこと
そうやってこころは
ときどき かたまっちゃうことがある
でもね、だいじょうぶ
エラーが出たら、「再起動」すればいいだけ
スマホだって パソコンだって
固まったら 一度 電源を切るよね?
こころだって いっしょだよ
いったん止まって
ふーっと深呼吸して
すきな音楽でも聴いて
空でも見上げてごらん
「がんばらなくちゃ」はおやすみにして
「よくがんばったね」って言ってあげよう
再起動のスイッチは
いつでも じぶんの中にあるんだ
ちゃんと休んで
ちゃんと止まれば
また動き出せる
新しい気持ちで
やりなおせる
だから――
エラーが出ても、再起動。
それだけで
こころはまた、歩きはじめるよ。
<心のアップデート 第4話 >
〈アップデートには 時間がかかる。〉
がんばっているのに
うまくいかないときがある
わかろうとしてるのに
まだ もやもやしていることがある
まわりは どんどん進んでいるのに
じぶんだけ とりのこされてる気がする
だけどね――
アップデートには、時間がかかるんだ
スマホも パソコンも
更新(こうしん)するときは
ぐるぐる、ぐるぐる
しばらく 動かなくなるでしょう?
こころだって おなじ
あたらしい考え方
あたらしい気持ち
あたらしい自分になるには
少し 立ち止まる時間が いるんだよ
焦らなくていい
あせらなくていい
止まっているように見えても
心の中では ちゃーんと 何かが動いてる
まだ 見えないだけなんだ
ぐるぐるしてても だいじょうぶ
今はただ
“読み込んでる途中”だから
そのうち、ぴんっと目がさめて
あっ、わかった、ってなる日がくる
それまでの時間も
ぜんぶ、アップデートの一部なんだよ
<心のアップデート 第5話 >
〈心のストレージ〉
スマホやパソコンには
ストレージ(保存できる場所)がある
たくさんの写真や音楽やアプリを入れていくと
いつか「容量がいっぱいです」って 出てくる
それって――
じつは 心も おなじかもしれない
知らないうちに
心の中に たくさんのことを しまいこんでる
昔 言われたきつい言葉
「できない」「無理」「どうせ自分なんて」
そういう言葉が いつの間にか
ファイルのように 心に積み重なっていく
誰にも見えないからこそ
ときどき 整理(せいり)してあげよう
ほんとうに 今の自分に必要?
もう使わないのに ずっと残してない?
つらかったことも
恥ずかしかったことも
思い出して涙が出ることも――
「ありがとう」って言って
そっと削除(さくじょ)してもいい
そして
新しいことばを 入れていこう
「たのしい」
「やってみたい」
「すき」
「だいじょうぶ」
心のストレージは
わたしだけの宝箱
だからこそ、選んで入れていく
ちゃんと整えれば
きっと、軽くなる
きっと、自由になる
<心のアップデート 第6話 >
〈今日の自分は、昨日のつづきじゃない。〉
「昨日あんなこと言っちゃった」
「また同じ失敗をした」
「どうせ私なんて…」
そんなふうに
昨日のことを 今日までひきずってしまうときがある
でもね――
今日の自分は、昨日のつづきじゃない
たしかに
つながっているようでいて
心は 夜のあいだに こっそり
変わっていることがあるんだよ
たったひとつの言葉
たったひとつの出会い
たったひとつの気づきで
心は がらりと 向きを変えることがある
昨日の自分が
「できなかった」としても
「ダメだった」としても
今日のあなたは
あたらしいスタートを切っていい
昨日のまちがいに ひっぱられなくてもいい
作品名:心のアップデート 詩集 作家名:タカーシャ