ずっこける人生のすすめ
東北には「ずっこける」という言葉があります。
つまずく、転ぶ、思わずバランスを崩してしまう、そんな場面を表す言葉です。
けれど、この「ずっこけ」こそ、実は人生においてとても大切な意味を持っているのです。
人は誰しも、失敗したくない、恥をかきたくないと思うものです。
しかし、人生には時々つまずくことが必要です。
なぜなら、つまずくことでしか学べないことがあるから。
痛みや戸惑いを通して、人は周囲の優しさや、自分の未熟さに気づき、次へ進む知恵を身につけていきます。
もし、つまずきのない人生があるとしたらどうでしょうか。
それはまるで、ブレーキの効かない車のようなもの。
どこかで少しでもハンドルを切り間違えたら、取り返しのつかない事故につながるかもしれません。
だからこそ、時にはずっこけることが大切なのです。
そのたびに誰かが手を差し伸べてくれる。
自分もまた、誰かを支えられる人になる。
転んでも、何度でも立ち上がる。
そんな生き方の中に、ほんとうの幸せがあるのだと思います。
「ずっこける」ことは、決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、それは人間らしく、温かい人生の証なのです。
作品名:ずっこける人生のすすめ 作家名:ジェイJ