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タカーシャ
タカーシャ
novelistID. 70952
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エスカレーターの距離

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『エスカレーターの距離』

エスカレーターは
ただの乗り物じゃない

密接度を測る
無言のメジャーみたいなもの

ふつうは一段あける
それが大人の礼儀だとか、マナーだとか

だけど
親子は違う
手をつないで一段にのる
「ねえ見て」としゃべりながら

恋人たちもそう
間なんて開けない
むしろ、そっと寄り添って
階段をゆっくり登っていく

学生たちは団子状態
鞄がぶつかっても気にしない
それが仲の証
触れてるのが、自然な距離感

おしゃべりしながら
じゃれ合いながら
一緒に上へと運ばれていく

エスカレーターは知っている
その一段一段に
どれだけの関係性が詰まっているか

心の距離は
きっと、ここに出る

無意識の近さ
安心の証

それは
「いま、誰と一緒にいたいか」
その答えを
静かに映すベルトの上の風景