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タカーシャ
タカーシャ
novelistID. 70952
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短歌集『いまを 生きるということ』

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短歌集『いまを 生きるということ』



〈いま、ここに生きる〉

いのちとは
ながれる時を 抱きしめる
ひと呼吸ごとに 世界がひらく

あたりまえ
きのうも同じ そう思い
風のにおいを 忘れていたよ

人ごみに
まぎれながらも ふと感じる
声のぬくもり ぼくもここにいる



〈自然のまなざしに〉

草の葉の
ひかりをたどる 昼下がり
答えのない詩(うた)を 風がささやく

水面(みなも)越し
ぼんやり映る 空とわれ
ゆらぎの中に まことを見る

木漏れ日が
何も言わずに 語りかけ
「いまここにいる」 ただそれだけで



〈対話と共鳴の中で〉

知らぬ間に
満たされていた この心
「ありがとう」って 声を聞いたとき

すれ違い
ふとしたまなざし 気づかされ
言葉にしない 会話もあるね

だれかとの
対話の中で 磨かれて
ぼくという名の 器ひろがる



〈境界をこえて〉

こたえなど
はじめからなくて いいのかも
感じることで ひらく境界(きわ)

ただひとつ
いまを生きれば すこしずつ
自分の輪郭 やさしく変わる

光より
あたたかかった ひとの手が
ぼくを遠くへ 連れていってく



〈充実としあわせと〉

この一歩
何も起きない ように見えて
しあわせの種 ふんでいたのかも

まなざしを
上げたそのとき 気づいたよ
世界はずっと 待っていたんだ

いまここに
ただ 生きている その奇跡
ありがとうって 風がささやく



(あとがき)

家の中でも世界は知れる時代。
でも本当の“いのちの実感”は、
外の世界、人のまなざし、
風のにおい、会話の間(ま)…
そういう、かけがえのない
一瞬の中にあるのかもしれません。

この短歌たちが、
誰かの“いま”に寄り添えたなら、
それが私の幸せです。