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変わらぬ面影

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「変わらぬ面影」

ふとした時に、あなたの面影を思い出します。
街の雑踏の中や、ふいに流れてくる懐かしい曲、
季節の香りや、沈む夕日に触れたとき――
心のどこかで、遠くにあなたを見つめる“僕”がいるのを感じます。

会うことはもうない。
言葉を交わすことも、隣で笑い合うこともない。
それでも、思い出すたびに、
あなたは少しも変わっていない気がするのです。

あの頃のままの笑顔で、
少し不器用で、まっすぐで、
でもどこか優しさに満ちていて。

僕たちは、いつからか違う人生を歩き始めました。
選ぶ道も、見る景色も、過ごす時間も別々になったけれど、不思議とそのことに、悔いはありません。

なぜなら、あの青春の日々――
ほんの一瞬のように過ぎていったあの季節の中で、僕たちは確かに「主役」だったからです。

同じ時間を生き、同じ場所に立ち、
笑ったり、傷ついたり、夢を語ったりしていた。
それは、たとえ今の僕らが違う世界にいても、
変わらずに、心の中に在り続ける風景です。

人生に明確なゴールはなくても、
歩んだ道に意味が宿るなら、
あの時の出会いも、想いも、すべてが
今の僕を形づくるかけがえのないピースでした。

変わらずにいたいと思います。
誰かにとっての主役になれなくても、
少なくとも、あなたにとっての「青春の主役の相手」だった僕を胸のどこかで覚えていてくれるなら、それだけで十分です。

そして僕も、変わらずに、あなたを思い続けます。
会えなくても、声が届かなくても、
あの頃の僕は、今もどこかであなたを見つめている。

きっとそれで、いいのだと思います。
もう交わらなくても、
あの季節のまま、あなたと僕は――
永遠に、あの物語の主役であり続けられるのだから。
作品名:変わらぬ面影 作家名:ジェイJ