飲酒のきっかけ(続・おしゃべりさんのひとり言199)
飲酒のきっかけ
そろそろあの季節だな。
ちょうど20年前のこと、大粒の紀州南高梅を買ってきました。
僕は自分ですっぱい梅干しを漬けてるけど、それには小ぶりな梅を使います。
なのでこの時の梅はそれ用ではありませんでした。
梅酒を漬けようと、わざわざ高い梅を買ったんです。
アルコールも焼酎や安いホワイトリカーじゃなく、ちょっとお高いブランデーに漬けておきました。
梅酒って美味しいですよね。
子供の時、10歳くらいだったでしょうか? 親戚の家に泊りに行って、風呂上りに梅酒の水割りを飲ませてもらったんです。
当然、未成年飲酒ですからダメなんですけど、僕は初めてそれを飲みました。
感想は、「世の中に、こんなおいしい飲み物があるなんて」でしたね。
自宅に戻って両親に「うちでも梅酒を作って」と、お願いしましたよ。
それ以来自宅では、子供なのに梅酒を飲むなんてこともたまにありました。
昔は結構、こういうご家庭も多かったんじゃないでしょうか?
子供って、自宅で梅酒を飲ませてもらう時、漬けてあった梅を食べるの楽しみじゃなかったですか?
弟は梅を盗み食いして怒られてましたけど、僕は梅そのものじゃなく、お酒の方をこっそり飲んだりしてましたね。
それがベースにあるから、大人になってもビールや日本酒より、果実酒とか甘いカクテルとかが好きでした。
その流れで、ワインとも出会うことになったんです。
ワインって、かなり特殊なお酒なんです。
普通、その他のお酒って、原材料に水を加えて醸造しますけど、ワインは水は加えずに、100%ブドウ果汁だけで作られています。
それを知って、ワインにハマりだしたのは、いつ頃からかな?
最初は甘いワインしか飲めなかったんですけど、徐々に好みが変化してきた感じですね。
20代の頃、僕ら仲間内で、ワインに詳しい人や、ワインアドバイザーの資格を持つ酒屋さん、プロのソムリエさんを招いて、月に一度ワイン会を催していました。
お遊び程度でしたが、僕はスタッフの立場だったから、ワインを詳しく勉強する必要があって・・・でもいくら話を聞いてもチンプンカンプンでしたね。
でも美味しいと思うワインはいくつか覚えていて、後に専門店で見付けると個人的に購入したりしていました。
海外出張が増えて、そこではワインを出すレストランが多く、ビールよりワインを注文することが増えだして、日本でも食事中にワインを飲むことが普通になってきました。
決して高級レストランだからそうするんじゃなく、サイゼリアでもワインを飲んでると、お笑い芸人のネタで「悲しい時~。サイゼリアでワインを飲んでる人を見た時~」てのをテレビで見て、(日本はワイン文化が全然発達してないんだな)って、こっちが悲しくなりましたよ。
当時、ワインを飲むのは“カッコつけ”みたいなイメージで受け取られてましたよね。
その頃には、僕の中でどんなワインが好みか確定し始めて、必ず料理に合わせるようになってくると、苦手だった渋~いのが好きなってきました。
銘柄というより、ブドウの品種で選べるようになってきて、金額的に3,000円くらいを上限にいろいろと試すようになると、品種より生産地で癖が違うのも分かるようになってきました。
明かりに透かして色の違いくらいは一目瞭然でも、香りについては、ぶどうっぽい風味が強いとかくらいなら分かりますが、カシスとかベリー、ハーブや胡椒に例えられたり、醸造樽の風味やコルクの匂いを説明されることもありますけど、ハッキリ言って僕は(そんな匂いする?)って思ってます。
さらに収穫年による、その地方のブドウの出来まで覚えていたらもう完璧なのですが、そこまではまだまだ、まだまだだ・・・。
だけどラベルを見ただけで、どんなワインだろうかと想像をするのも楽しいもんです。
コルクを抜いてその匂いを嗅いだら、期待通りだったかその時点で判ったりもします。
作品名:飲酒のきっかけ(続・おしゃべりさんのひとり言199) 作家名:亨利(ヘンリー)