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赤い涙(改稿バージョン)

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 昂の母は、昂がテレパスだということを知っている。そんな彼を母は怖がっている。小学生の頃、彼のシールドはまだ未熟で他人の感情に振り回されて体調を崩すことがよくあった。
『この子は人の心の中まで見ている』
『私の心も見ている、怖い』
迎えに来た時必ず浴びせかけられる、そんな怯えた彼女の“声”をもう聞きたくはない。
「一時間目が終わったら担任に連絡するから、それから帰りね」
そんな昂に尚子はそう返した。
(まだしばらくは、この空気の中におらんなあかんのか…)
昂はベッドの縁に座ってため息をついた。