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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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子供の疑問(続・おしゃべりさんのひとり言179)

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子供の疑問



「赤ちゃんは、どうしたらできるの?」

昔からこんな子供の素朴な疑問には、大人が戸惑うことを想定して、うまい逃げ口上がありますよね。
「それはね、コウノトリが交尾してできるんだよ」
女房に思いっきりシバかれました。
じゃ、あなたなら何て答えてあげますか?
突然聞かれると、白々しい言い訳するのを躊躇しませんか?
もう一つ、似たような質問も想定されますよね。

「赤ちゃんはどこから生まれてくるの?」

こう聞かれて、気まずい気持ちになったことないですか?
僕はこの答えを予めしっかり決めていて、
「赤ちゃんは普通、頭から生まれて来るよ」
これには妻も同意、子供はポカンとしています。
「わたしも頭から生まれた?」
「そうやで。でも時々、逆子(さかご)て言って、足から生まれる子もいるんやで」
驚いて目を見開き、宙を見上げる我が子。
「このことは内緒にしとこうな」
これで難関突破しました。
そのうちに事実を知ることになるでしょうから、その時笑えるようにと、こんなふうに話したんですが、どうだったかな?
子供らしく『信じること』と『知ること』のバランスって大切だと思います。

うちの近所にはお城があるんですけど、大人は天守閣のあるお城をイメージしますよね。確かにそんなお城があるんでです。
でもディズニーで絶賛成長中の幼児は、シンデレラ城をお城と認識しています。
娘に夏物のワンピースを買ってあげた時、「ドレス買ってくれるんだぁ」って言って、すごく喜んでた。その後、ごきげんでお店を出て、景色のいい小高いガレージで娘が突然、「あっ! お城だ! お城があるよ!」って叫んだんです。
僕と妻は、一体何を見て叫んでるんだと思って街を見下ろすと、そこには大きなシンデレラ城が・・・いえ、あったのは総合結婚式場『玉姫殿』でした。
「ああ・・」
確かに立派な塔がそびえるお城にしか見えません。
「大人になったらきれいなドレスを着て、あそこでパーティーができるんだよ」って期待させておきました。
嘘をつく必要はないし、本当のことを知るまでは、夢があっていいじゃない。・・・結構式場って解っても、それにも夢を持つ子に育ってほしいし。(現実には冷めてしまったようだけど)

サンタクロースの説明も難しいですよね。
普通の子供は、いつまでサンタさんを信じてるんだろう?
僕は幼稚園の頃には「作り話だって」友達と話してたのを覚えてる。
それにプレゼントも、そこらへんに売ってるオモチャだもんね。親が買って来たってバレバレでしょ?
だから自分の子には、ちゃんと対策を考えておきました。そのおかげで今年二十歳になる娘は、サンタクロースは実在すると知っています。
どういうことかって言うと、物心つく前から、フィンランドのロヴァニエミ市公認のサンタクロース村に、毎年サンタさんから届く手紙(エアーメール)を申し込んでたんです。
うちの娘は妖精のトントゥが見守ってくれていて、毎年「よい子認定」の報告がありました。
プレゼントだって、サンタクロース村から送られて来るってことにしておいて、茶番ですけど「このオモチャください」って、星空にお願いさせていました。それが入る靴下か、大きなものだと妻が靴下型の袋を縫って枕元に置いとけば、クリスマスの朝は、中に入ったプレゼントに大喜びで目が覚めますよね。
だから友達の家に来るサンタは親が演じてるけど、うちのは公認サンタなんだと理解していたようです。


     つづく