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令和七年随想録

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その3


これまで花が愛しいとか、人に憐憫を覚え思いを掛けて来た生活だったが、今は精神状態が変化しているのを感じている。
これは他の高齢の友人も同じのようだ。
先日親しい人に電話を掛けたけれど折り返し掛けて来ることもなかったので再度掛けた。この間も電話したのだけど、と言ったら、私いま何どこやないのよ、自分のことで一生懸命、と言った。
そういうのは前から判っていたことだが、まだ口は衰えていず、こちらが口を挟む余地がないほどしゃべりまくり、しかも身体の不調のことばかり話し始めた。盛んに話し始めたところで他から電話が掛かったと言って切れた。
いつものことだと思ったことだ。

ましな話ができて付き合える人もいるがごく少数なので、去年の暮れにグループ会に入った。生活勉強をする友の会とコーラスだ。以前入っていて、止めてから十数年経つが会う度に誘われていたので相当歓迎された。
この年齢で入会して歓迎される会は他にはないだろう。昔取った杵柄は役に立っていると思う。


作品名:令和七年随想録 作家名:笹峰霧子