まもなく時効
あらすじ
昭和四十一年八神朔太郎(36)は城ヶ島に旅行中、自分の妻八神節子(33)の水着姿を写真におさめる。二人は写真を誰にも見せないと誓う。
時は平成タカミネパン毒物混入事件の時効が迫っている。朔太郎の孫、八神漣(19)は節子の昔の水着姿の写真をインターネットに拡散し、その写真はタカミネ毒物混入事件のホシのアリバイが崩れる決定的な証拠が残っていた。八神漣はすぐインターネットから写真を削除した。刑事の霧島真司(52)は合成でない現物の写真を提出してくれと八神家に頼むが、朔太郎はそれを断る。節子は失語症になっており言葉もしゃべれない。節子との約束のため写真を刑事に提出しない朔太郎に心の変化が少しづつ現れる。