オジギソウ
そして神様は余りに早く失われた命を憐れんで
彼らと彼女らにこの世に残るよすがとして
一年草としての生命を贈った
愛されて生きた彼らと彼女らは、小さな花になった
アサガオ、キンギョソウ、デイジーになった
サルビア、コスモス、パンジーになった
そしてみんなに愛された
愛されたことの無い子供は、オジギソウになった
怯えるように葉を閉じ、
あるいはしがみつくように葉を閉じた
神様はオジギソウに「すまなかったね」と声をかけ
包み込むように摘み取ると高く掲げて
彼や彼女はそのまま星になった
(了)