近頃おもうこと
その7
四十代になったとき、塾の生徒も増えて収入もかなりあったが、子供の養育は順調ではなく、一人は学校を嫌がって休む期間もあり、夫も私も戦々恐々とした日々を送った。
夫は私を責め乍らも色々なことには奔走して協力してくれた。
二人の娘が大学に入学してからは子供達から少しうれしいニュースも入ってきて喜んだものの、かなりの出費を要した。でもこの時代が一番幸せな時期だった。
数十年経って振り返ってみれば、そのような時期はずっと続くものではなく、谷間に咲いた百合のようなものであったのだ。