世界の麺の世界(続・おしゃべりさんのひとり言116)
世界の麺の世界
麺類好きですね。
長いのにかけて「末永~く」って縁起物だったりしますけど、長~いひとり言になります。
麺類食べる時って、普段の食事とは違う楽しみ感じないですか?
でもひと言で『麺』と言っても、果たしてどれくらいの種類を食べたことあるんでしょう。
ラーメン、うどん、スパゲティ、そうめん、それと大好きなお蕎麦。
今ちょっと考えただけでも、想像は果てしなく広がる麺の世界。
幼稚園の頃から食べていた地元にあったラーメン屋さんが廃業しました。大将が亡くなったからです。
その後どういう関係か知らないけれど、近所のお肉屋さんがその経営を引き継いで、別の場所に新店舗をオープンされたんだけど、それはそれは衝撃でした。
以前の店に掲げてあった注意書き看板もそのままなのに、味はもとより見た目も何も、全くの別物だったんです。
似せる気もなさそうで、なぜに屋号を引き継いだのか? 残念ですが、二度と行かないと思います。
バブルの頃、その元々のお店が支店を何軒も出されて、あちこちで食べることが出来てたんだけど、やっぱり大将が作る一号店のラーメンだけは格別でしたもん。
スープは、こってり鶏ガラしょうゆ味で、チャーシューを煮込んでるのが見えてましたし、その出汁も混ぜてあったのかな?
『背油チャッチャ系ブーム』が来るずっと前から、ブタの背油入りでした。
こってりで有名な京都の『天●一品』のトロトロとはまた違う、スープはサラサラしてるのに超こってりラーメンだったんです。
いつも食べた後、口の周りがネバネバします。
トッピングはチャーシューとメンマだけ。見た目からして超シンプル。青ネギと大根キムチはお好みで入れ放題。
最後はラーメン一杯が550円でしたけど、いつも同時に頼む辛口唐揚げは350円で、とても安いお店でしたね。
超人気店というほどではなく、晩年は一号店の他、系列店も二か所だけになっていました。
一号店が無くなってからは、もうあの味は食べることが出来なくなって、その後総本店を名乗ってた系列店に行こうとしたら、それまでも無くなっていました。
引き継いだ肉屋の店は論外なので、もう残された正統なお店は一つだけです。そこは自宅から一時間以上かかる町にあります。
それでも行ってみたところ・・・。
なんとなく大将のラーメンとは違うんだけど、まずまずの合格点。(エラそうにすみません)
コロナ禍以降、ネギもキムチも入れ放題じゃなくなって、値段も730円ですけど、あのスープはもうここでしか楽しめませんから、文句は言いません。
僕はうどんも好きで、讃岐うどんはよく食べます。
そのために、よく四国旅行もします。
学生の時、香川出身の友達の実家に遊びに行った時、初めて讃岐うどんを食べました。
店のおばあちゃんが麺をゆでて、それをどんぶりで受け取るかたち。この最安メニューは確かビックリの一杯150円でした。
それに醤油をかけて食べたんだけど、店の外にネギが植えてあって、「一本ちぎって来て、ハサミで刻んで、うどんにかけろ」と言われました。
畑の脇の掘っ立て小屋のようなあのお店、もう無いだろうなあ。
本場香川県より少し高めではありますが、最近は全国どこででも讃岐が食べられますよね。
あのコシの強いツルツルが、うどんの代名詞になって来てやしないでしょうか?
僕は関西出身ですので、柔らかめで、かつお出汁甘めのうどんが好きですが、最近じゃそんな『おうどん』を手軽に食べられるお店が少なくなってきましたね。
京都でうどんを食べようとすると、1杯が千円以上するような店が多いですけど、昔ながらのうどんを出す地元の食堂って、めっきり減ってしまいました。
餡かけだとか卵とじだとか、(全然京都とは関係なさそうな)スダチがどうのって、工夫を凝らした、観光客相手の店ばかりが『京風うどん』としてネットで紹介されています。
その『京風』って何だろ?
昔、東京で『京風ラーメン』頼んだら、ラーメンなのに山菜入りのが出て来た。関東の人の思う京都って、こういうイメージ?
京都のうどん出汁は透明に近いものだと思うけど、京都にも有名な和出汁の効いたカレーうどんもあるから、何を取って京風と呼ぶのかは、ほんとにイメージだけですけどね。
大阪はいまだに大衆価格のうどん屋さんが多くていいです。ちょっと甘めのお店が多いです。
牛筋を炊いた『筋うどん』やホルモンをカスカスに揚げた『カスうどん』も人気。『肉吸い』で有名なお店の肉うどんなんて、僕もよく上等な牛肉を買っては、真似て作っています。
でも僕は出汁で炊いたお揚げの『狐さん』でも十分です。むしろ素うどん(かけうどん)に、とろろ昆布だけってのもオツなもんですよ。
大阪はうどんより、お出汁がメインな気がします。
それと名古屋の『味噌煮込みうどん』には目がありません。冬には高速を使ってでも食べに行っちゃいます。白菜の漬物食べ放題のお店です。それに『きしめん』も捨てがたいし。
三重の『伊勢うどん』と福岡の『博多うどん』は、麺自体がフニャフニャ。
それを食べに、毎年一回お伊勢参りしますし(それが目的ではないですけどね)、新幹線で博多駅に降り立つ度、ゴボウ天入りのゆるゆるのうどんが食べたくなる。
そんな柔らかすぎるうどん、最近僕はこっちの方が好きなくらいだな。
きっと世の中、讃岐うどん一択でチェーン展開する企業が増えすぎたからでしょう。
これと同じく、僕がもうちょい柔らか麺を所望するのは、沖縄そばやソーキそばです。
落ち着いた味わいで、ラーメンやうどんにも似て非なる、どこかエスニックな雰囲気も持っています。
カツオ出汁なのに、『コーレーグス』という唐辛子漬け泡盛の調味料をかけるとよく合いますね。
麺はコリコリするくらい硬めですけど、(もう少し茹でてくれると嬉しいのに)といつも思います。
作品名:世界の麺の世界(続・おしゃべりさんのひとり言116) 作家名:亨利(ヘンリー)