小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

続・おしゃべりさんのひとり言/やっぱりひとり言が止めらない

INDEX|77ページ/124ページ|

次のページ前のページ
 

横浜のBMW正規ディーラーにそのインスタのX6が、中古車として販売されていないか調べてみたところ・・・もうありませんでした。
一応メールでも「X6はありませんか?」と聞いてみたんですが、11月に1台売れたとのことでした。すごく丁寧なお返事で、参考にその販売ページのURLも添付してくださいました。多分これがインスタの車だったのでしょう。
ちなみにその販売価格は妻の予算の約2倍でしたけどね。

その後、数日前に見付けていた中古車屋さんの1台についても、メールで問い合わせをしてみたら、まだあるとのこと。
するとそのお店も横浜の業者さんでした。お店のホームページにそのX6が紹介されていたんですが、どう見てもインスタの車と同じです。ナンバープレートが見えないか掲載写真をスクロールして行くと、見付けました。インスタで紹介されていたのと同じナンバーです。
キタ~! ツイてる予感がする!
(でも、どういうこと?)やっぱり疑問が・・・

8月にインスタに挙げられた横浜のその車は、おそらくBMW正規ディーラーで車検を通された後、どういう事情なのか下取りに出され、そのまま正規中古車としてディーラーで販売されてたんだと思いますが、11月には売れたとの話でした。でもすぐ近くの中古車屋さんで、その車が12月現在販売中。
こんな短期間で何度も転売されるような車って、どういう車?
しかも、相場よりかなり安かったんで、気になるでしょ。

僕はその中古車販売店に電話しました。
「その車、なぜこんなに安いんですか?」
「実は、正規ディーラーの中古車だったんですが、販売期間の期限まで売れ残って、当社に転売されたんです」
(やはり、そういうことか。という事は、正規ディーラーでメンテナンスされて車検を取った車ってことだから、程度はすこぶるいいのに売れ残ったので安く転売され、それを仕入れた中古車屋さんが、相場より安く販売しているってことだ)って気付きました。
僕は昔の仕事で古物商の免許を申請したことがあって、中古車の転売を少し手伝っていました。その時、イエローブックと呼ばれる冊子が毎月発行されており、それには全車種の年式別に中古車の卸値相場が目安として記載されていて、たとえ修理やメンテに費用がかかっても、業者間で取引される場合は、大体イエロ-ブック記載の価格で転売されることを知っていたんです。
「当社はBMW専門に扱う中古車店なんで、ディーラーからの下取りも多いんですよ。その場合は、お客様にかなりお得な価格でご購入いただいています」
(確かに、正規店の半額に近いような価格になっている。これはチャンス! やっぱりツイてる)
この会話を妻も横で聞いています。そして頷きました。
「買いたいんですけど、私関西なんですよね。手続きはどういった流れで・・・」
このように即決しました。実物は見ていないですが、十分でしょ。
早速手続きを済ませて必要書類を送り、受け取り方法を相談しました。
横浜から陸送すると、10万円近くかかるので、それなら新幹線で受け取りに行って、帰りは高速で帰ってくればいいじゃないですか。
僕は正月早々、妻と二人で新幹線に乗って、横浜へ美味しいものを食べに行ったついでに、車を引き取って帰って来ました。
前のX5より、クーペなのでやや天井は低く車内も狭いですが、前とは違うターボエンジンで300馬力以上だったので、高速の走りはかなりナイス。雨の中、5時間連続運転しても全く疲れませんでした。

帰宅してから色々細かいところを調べてみると、年式の割に総走行距離が少ない車でしたので、すごくきれいな車体でしたし、各機関も問題なく、車内はまだ新車の匂いまでしています。
しかし横浜の前オーナーさんは、たまにしか乗られていなかったようで、その証拠にマフラーからススが出ていて、バンパー周辺に付着してしまっていました。いきなり高速走行で長距離を走って来たから、エグゾーストパイプやマフラー内部に長期間付着していたススが一気に吹き飛んで、雨で濡れてバンパー周辺に付いてしまったようです。
乾いた後で雑巾で拭き取っても、跡が残るくらいでした。
でも大事に乗れば、また5年以上問題なく走ってくれるはず。ツイてるから大丈夫なはずだ。

それから10日ほど経ったある日、寒波が来て大雪が降りました。
前日の降雪時には、妻がそれで通勤して安心だったのですが、僕が会社から与えられているアウディは、4輪駆動車ではありません。
スタッドレスタイヤを履いていても、お尻を振りながらの走行です。
その翌日はもっと積もりました。妻は一般企業に勤めていますが、学校関係の仕事をしているので、その日は学校閉鎖となり休みになりました。
という事は、この新しいX6を僕が乗って行ってもいいってことです。

家を出て10分後、地元の中学校の校門前に差し掛かりました。
(大雪の中、この中学校は閉鎖されてないんだな)とか考えていると、前方の車が校門の前で停車したんです。
(なんだ? こんなところで)と思いましたが、どうやら生徒さんを車で送って来て、ここで降ろしているようです。
道路脇には除雪された雪が積もっており、道の真ん中に停車するのも致し方ないでしょう。
僕はその後ろに停車して、暫く待ちました。
すると、(ドン!)という音が聞こえました。
(なんだろう?)辺りを見回すと、生徒たちがこっちを見ています。
後ろをミラーで見ると、追突されてるじゃないですか? 僕。
買って早々災難です。妻に申し訳ない。

結局そのX6は、約2週間で修理から帰って来ましたが、お陰様で変色していたバンパーまで新品に交換されました。
ツイてるのやら、ツイてないのやら。