続・おしゃべりさんのひとり言/やっぱりひとり言が止めらない
『事故物件』??? 恐ろしワードが出て来ました。
よく聞くと不動産屋から安い部屋を紹介された中に、特に安い部屋があったので説明を聞くと、前の前の前くらいの住人が自殺したんだそうで、今はその後入居した人が複数いるから、事故物件としての説明義務はないらしいんですけど、その後の住人がおかしくなって退去されることが続いたので、一応家賃は安くなっていたそうです。
(コワッ、そんな部屋借りんなよ!)って思いますけど、Yさんにも事情があるんでしょう。浄水器を買うどころの経済事情ではなかったんで。
Yさん自身は、その部屋で幽霊を見たことは無いそうですが、夜な夜な原因不明の焦げたような異臭に悩まされたり、排水管から「ああ~」って声が聞こえたり、そんな時DVDを見ていると変なノイズが映ったり、コツコツと人が近付いてくる音が間近かに聞こえることもあったそうです。
同席していた友達は、笑いながら「気にしすぎだろ」と言っていましたが、Yさんは真剣そうに「何かいる」って仰ってました。
その部屋を後にしてから、友達と感想を言い合いましたが、あんな不健康な部屋で暮らしていると、その環境と妄想で精神的に病んでいく様子が想像できました。
これは僕の個人的な見解になり表現は難しいですけど、あの部屋じゃ、精神に異常を来たすのも納得できる気がしたんです。
自殺した方の事情は分かりませんけど、あそこは自殺者が出るべくして環境が整っているような気がしました。
僕の話に戻すと、そんな人と会った後だったので、「僕の部屋にも幽霊が出るという想像」に影響を与えてしまったのだと思います。
ある晩、僕は寝慣れたベッドで、怖い夢を見ました。
詳細内容はもう忘れましたけど、うなされるほどの嫌な夢だったと思います。
寝ていて金縛りなんてこと、僕はしょっちゅうありますし、いつもイビキをかくくらいの気軽さで金縛られます。
そんな時はプロローグとして、よくお化けの夢を見ますが、そんなエピソードはまた別の機会にお話しするとして、今回の金縛り中にはYさんではないですけど、とても陰気な男が出て来ました。
その男はとても汚れた白いワイシャツを着ていて、髪の毛まで汗でじっとりして不潔そうです。
動けない僕はその男にイライラがつのります。
その男は段々と僕を睨みだして声を荒げ始めました。
逃げようとするけど僕の体は動かせない、そんなジレンマで焦り出します。
そしてその男は突然、ものすごい形相になってうなり声を上げ出しました。
僕は必死でもがいて、何とか金縛りから脱出しようと試みます。
終には相手がすごく強い力で僕の首に掴みかかって来てたので、慌てた僕は叫びながら、その男の顔面にゲンコツを入れてしまいました。・・・ここでやっと動くことが出来たんです。
その時の自分の声と咄嗟に動いた腕のせいで、その夢から覚めたんですが、僕は部屋の壁の方を向いた形で横になったまま目を開けました。
すると、夢の中にいたその男がまだ僕の右に横たわっていて、僕を睨んだままで静止していたんです。
その男に驚き、僕はそのままの姿勢で、その男の顔や胸のあたりまで見まわしました。
やがて、その向こうの壁が透けて見えて来て、その男はフェードアウトするかのように、す~っと消えて行きました。
時間にして5秒ほどだったでしょうか、その時僕のこぶしには、殴った際に相手の歯が当たった感覚が明確に残っていました。
僕はベッドから起き上がり、暫くわざと目をぱちくりして、自分が今目覚めていることを確認したんです。
怖かったんじゃなく、なんで起きているのにそんなものが見えたのかを冷静に分析しようとしたんです。
目を開けてから見えてたので(幻覚って、こんなに鮮明なものなのか?)と考えたり、(ひょっとしてお化けって、結構身近に存在するものなのか?)って思いも脳裏をよぎる。
それが間違いなく夢に出てきた男でしたので、金縛りを解いて突然目を覚ましたことで、目を開けた時には頭の中に夢のイメージがまだ残った状態で、暗い部屋に残像のように写し出されたように見えたのではないかと思います。
絶対そうでしょう。間違いないです。
怖いからそう信じたいんじゃなく、こう考えると論理的だと思い付いたからです。
あれ以来、同じような経験はもうないですけど、世界中の人間がお化けや幽霊を恐れる理由には、共通の原因があると思います。
それが怖いものだと思う人には、恐怖体験として語られ、怖がりな人はそんな話を聞いただけでも恐怖し、そして語り継ぎます。
この恐怖の連鎖は、原因解明されるはずもなく、永遠に駆け巡り続けているだけじゃないかな。
でも僕は怖くも何ともない人なので、(脳科学に通じる面白い体験をした)と思っています。
追伸:お化けを見たのはこの時だけじゃなくって、小学6年の時、暗い山中で参加した肝試しで、不可解な出来事が・・・⦅興味があれば、短編作品『肝試し』も参照してください⦆