続・おしゃべりさんのひとり言/やっぱりひとり言が止めらない
その191 爆竹バッチグー?
!バッチバチバチバキバヂバヂバジバキバチヂヂヂジジチチ・・・
突然の乾いた爆音。
(爆竹だな)僕は懐かしいと思った。
近所の里山のどこかから聞こえてきたんだ。
クマ避けに使われるって話は山登りしてるとよく聞くけど、こんな里山にクマなんかいやしないよ。サルかな?
誰が何のために鳴らしてるんだ?
きっと悪ガキの仕業に違いない。山火事が流行ってるから気を付けて遊んでくれ。
そもそも爆竹って、何のためのものなのかな? 危ないと思うんだけど。
そのバッチグーな使い道って何だろう? 現代でも、商品として必要なんだろうか?
危険害獣避けに使おうって発想は解るけど、効果はあるのかな?
それにもっと安全な煙硝ピストルとか、電子ホーン(ブザー)もあるし。
爆竹と言えば、中国じゃ春節(旧正月)の時、街中そこかしこで大爆裂させて、夜通し爆音が響き渡ってる。
サイズが大きいのもあるから、とにかくうるさい。音で邪気を払うんだって。
子供がガスの溜まったマンホールに放り込んで、道路が大爆発ってニュースなんかもよく目にするよね。
打ち上げ花火もバンバン、民家の上やマンションの隙間で炸裂してるし、ありゃいつ火事になってもおかしくないわ。
ホテルに居ても朝まで騒音で眠れないくらいだから、その時期の中華圏に出張に行きたくない日本人社員は多い。
でも中華系の社員は行きたがるから助かってる。
爆竹ってのは、この春節の為にあるんだろうか?
それが日本に入ってきて、本来の目的以外の使い方や遊び方になってるんだと思う。
そう言う僕も子供の頃、よくこれで遊んだっけな。なんか興奮するもん。
小学校低学年でも家からマッチを持ち出して、空き地や田んぼで爆竹に火をつけて騒いだもんだ。
なぜか花火は大人と一緒じゃないと危ないって認識があったけど、爆竹やカンシャク玉(壁や地面に投げつけると破裂音がする火薬の玉)には危険意識が低い。
だって駄菓子屋さんで、普通に子供のお小遣いで買えてたもんね。
昼間っから花火するのは変。でも爆竹は昼間に遊ぶもの。そんな常識でした。
現代じゃリチウムイオン電池の発火が問題視されてるけど、火薬を子供が持ち歩くって、おおらかな時代でした。
それは20本ぐらいが一束になっていて、導火線に火をつけると、一気に連続爆発する。
で、一本一本ばらして、節約するのがバッチグー。
遠くに投げて、バン!
高く放り投げて、パン!
砂山に差して、ポン!
空き缶に入れて、ガン!
その破壊力は、ジュースのビンが破裂するほどじゃなかった。
さすがに水中爆発はできなかったと記憶している。
だんだん飽きてくると、人に投げるバカもいる。
そんなバカは、年長者に正義のげんこつで殴られて家に帰る。
手で持って破裂させるようなマヌケもいなかった。
そんな安全ルールも年長の友達が教えてくれてたから。
学校の先生が、ロケットを打ち上げたいと思って、爆竹の火薬を集めて竹の棒に詰めて火を着けたら、「飛ばずにきれいに燃えただけだ」って言ってた。
その話に興味が湧いて僕も真似してやってみたけど、シュワッと一瞬で燃え尽きるぐらいしか集められなかった。
先生の話は本当だったのか疑問だけど、それは本質的に危険な誘惑だったな。
もっとやっちゃいけないことをしてしまうこともあった。バッチグ・・・じゃなく、バッドなこと。
犠牲者はカエルだ。ほら、やった経験のある人も多いでしょ。
僕も何回かやったよね。やっぱり、子供は残酷だ。
出来るだけ大きなトノサマガエルを捕まえて、その口に爆竹を突っ込み火を着ける。
吐き出せばいいのに、そのまま地面にいるカエルの末路は・・・。
カエルは壁に投げつけたり、車道に放り出して車に轢かせたり、わざとヘビに嚙みつかせたり。
当時の子供たちにとって、カエルには他の小動物に与えられていた生存権などなかったな。
それとカエルなんかより、絶対にやっちゃいけない爆裂が、犬のほかほかウンチだ。
柔らかすぎるのは危険。思いの外よく飛び散るんだ。
その場にいた全員が犠牲者になった。バッチ・・・イー。
あの時は、絶対にアカンと反省したww。